【速報】「田川消防指令センター」設計・施工の3件、1者応札で落札率約100%|汚れた土着権力(12)

田川市・郡の8市町村で構成する「福岡県田川地区消防組合」(管理者:永原譲二大任町長)が整備を進める『田川地区・中間市消防指令センター新庁舎建設工事』における設計、無線施設工事、建屋建設工事の3件が、いずれも「1者応札」で業者が決まり、契約金額もそれぞれ約100%だったことが分かった。官製談合を疑う必要がある。
■「不正」の臭い
当該事業は、《災害情報の一元化等による住民サービスの向上、大規模災害時の迅速な消防相互応援体制の確立化による災害対応力の強化》(同組合のホームページより)を目的に、2023年12月、同組合と中間市が事業に関する基本協定を締結。26年からの運用開始を目指し建設作業が進められてきた。

整備事業に関する主な発注業務は、『(仮称)田川地区消防本部消防指令センター新庁舎建設工事設計業務』、『田川地区・中間市共同運用高機能消防指令システム及び消防救急デジタル無線設備更新整備工事』、『田川地区・中間市消防指令センター新庁舎建設工事』の3件。2024年7月に設計業務の委託先を業者選定プロポーザルで決定、昨年2月にやはりプロポーザルで新庁舎建設工事の、同年5月には一般競争入札で無線設備更新整備工事の業者を決めていた。
消防組合への情報公開請求で入手した文書を精査したところ、いずれの業務も「1者応札」。しかも、落札率はいずれも約100%という異常な高率となっている。下がそのまとめだ。

設計業務は、組合が構成自治体に業者の推薦を依頼してあがってきた5社を指名したが4社が「辞退」。組合は、残った1社の提案書だけを審査していた。

辞退が相次ぎ、残ったのが1社だけというなら、推薦業者の幅を広げて再度プロポーザル参加者を募るのが一般的。しかし組合は1者応札を容認し、“競争の原則”が機能しなかったことで結果的に99.34%という落札率となっていた。組合が、工事費削減への努力を怠ったのは確かだ。
無線設備更新整備工事にしても、建屋の建設工事にしても、1者応札で落札率は約100%という住民をバカにした話。誰とは言わないが、納税者無視で利権をむさぼる関係者の顔が浮かぶ。
「落札率100%」が実現可能な方法は限られる。
・事前にプロポーザルや入札に参加する業者に、「1者応札」であると行政側が教えておく⇒ 入札妨害や官製談合の疑い
・プロポーザル審査や入札の会場に、複数参加の場合の低い金額と「1者」の場合の高い金額を記入した札を持ち込み臨機に対応する ⇒ 3件の業者選定で同様となる可能性は低い
消防組合側がプロポーザルや入札に参加する際の「資格条件」を絞ってコントロールする方法も考えられるが、いずれに当てはまるにせよ、大型公共事業の複数の業者選定で、1者応札と100%の落札率がセットになること自体が異例。不正の臭いを感じ取っているのは記者だけではあるまい。
■永原町長絡みで続く「1者応札」と身内優遇
それにしても、永原譲二大任町長がトップを務める一部事務組合が発注する工事は、なぜこうも「1者応札」が続くのか?
400億円を超える公費が投入されたごみ処理施設整備事業――大任町ごみ処理施設「さくら環境センター」、汚泥再生処理施設「田川地区クリーンセンター」、「大任町一般廃棄物最終処分場浸出水処理施設」――の3件の工事が1者応札だったことは記憶に新しい。同事業の疑惑は未解明のままだ。
消防組合のナンバー2である副管理者の松村安洋氏の前職は、二場公人前市長時代の副市長。一部事務組合「田川広域水道企業団」(田川市、川崎町、糸田町、福智町の1市3町で構成)が整備を進めている『新浄水場』に関する企業団の実務を取り仕切り、業者選定の責任者でもあったのが副市長の松村氏だった。新浄水場建設工事の契約は、工事の内容によって下のように大きく3つに分けられるが、ハンターの調べで、いずれの業者選定も「1者応札」だったことが分かっている。つまり“競争なし”の落札。余計な公金が費消されたのは確かだろう。
【土木・建築】白鳥浄水場(仮称)及び大浦調整池建設工事・・・契約金額:55億7,700万円
【機械設備】白鳥浄水場(仮称)機械設備設置工事・・・契約金額:49億600万円
【電気設備】白鳥浄水場(仮称)外電気設備設置工事・・・契約金額:23億8,700万円
新浄水場の工事を巡っては、840万6,594円で企業団が取得した約4,600㎡の土地が、永原町長のファミリー企業「有限会社 譲」が所有していた物件だったことや、町長と関係の深い飛島建設が請負った土木建築工事の下請けに、「有限会社 譲」と永原氏の実子が社長の「株式会社鷹羽建設」が参加していたことも明らかとなっている。
永原ー松村体制下の消防組合でも同様のケースが――。問題の消防指令センター建設工事を受注した溝江建設の下で一手に土木工事を請負ったのは、昨年3月の大任町長選挙で永原陣営の運動員として「現金買収」に走って福岡県警に逮捕され、略式起訴により罰金50万円の処分を受けた人物が代表を務める「ユウセイ」。大任町に本社を置くユウセイの代表は、永原町長の実弟と叔父、甥の関係である。つまり永原氏の親族が大型工事の下請けに入っていたということ。ここでも永原ファミリーが優遇されている。

■住民無視で新たな疑惑
「1者応札」がなぜいけないのか?答えは子供でも解る。競争の原則が排除されることで、事業費が高止まりするからに他ならない。事実、消防指令センターの工事関連業務3件は、述べてきた通り約100%の落札率。原資が税金である以上、泣きを見るのは納税者ということになる。田川市・郡の自治体は、消防組合の負担金を払わなければならず、地域住民は二重にカネをとられる格好だ。怒るべきだろう。
ところで、消防指令センターの設計業者を選ぶ過程では、「入札妨害」を疑うに足る関係者のやり取りから、コントロール可能な(降ろすことが可能な)業者を組ませて、思惑通りに事を運んだ可能性があることがわかってきた。この点についても、近く詳細を報じる予定だ。

















