
田川地区消防組合(管理者:永原譲二大任町長)が実施した庁舎建設工事の委託業者を選ぶ4件のプロポーザルで、採点の際に審査委員が手書きした「個票」が残されていないことが判明。審査結果の正当性を証明することができない状態となったことで、“公文書毀棄の疑いがある”として記事化を通告した。
それまでハンターの確認に「担当からあがってきていないので(個票は)ないということ」と説明していた組合だったが、記事化を通告された途端「もう一度精査したい」。呆れたことに、その日のうちに「別の簿冊にあった」と連絡してきた。開示決定期間を30日も延長したあげくの醜態。違法性を指摘され、後付けで文書を作成した疑いが拭えない。
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田川地区消防組合に情報公開請求して入手した資料で確認したところ、2018年から昨年までに同組合が実施した消防施設の建設及び改修のうち、プロポーザルで業者を選んだのは下の5件。このうち、2018年5月に審査が行われた「田川地区消防署川崎分署新庁舎建設実施設計業務」のプロポーザル審査を除き、「田川地区消防本部本庁舎改修工事実施設計」「田川地区消防署添田分署新庁舎建設実施設計業務」「田川地区消防本部消防指令センター新庁舎建設工事設計業務」「田川地区・中間市共同運用高機能消防指令システム及び消防救急デジタル無線設備工事」の4件については審査集計の書類があるだけで、「個票」は不存在だった。

ハンターは今月9日にかけて何度も個票の存在を確認。組合側はその都度「担当からあがってきていないので(個票は)ないということ」と説明していたが、“公文書毀棄の疑いがあるということを記事にする”と通告した10日午前、それまでの説明を一変させ「もう一度検証させてほしい」と言い出した。
同日午後2時過ぎ、消防組合からの連絡は「別の簿冊にありました」。ハンターの記者は“30日も延長しておいて、別の簿冊とはどういうことか。後付けで作成したことは子供でも分かる。組合の情報公開は信用できない”として厳しく抗議した。
昨年秋から「消防利権」の取材を進めてきたハンターの、組合側に対する開示請求は4回。請求内容と組合側の対応は以下の通りだ。
1 田川地区消防署香春分遣所の整備に関する全ての文書(*整備方針の決定過程が分かる文書を含む)。⇒開示決定期間を30日間延長
2 田川地区消防組合に対して行われた情報公開請求の年度ごとの件数が分かる文書(平成29年度から本日までのもの)。⇒規定通りの期間内に開示
3 田川地区・中間市消防指令センター新庁舎建設工事に関する別紙1(*)記載の文書《*=7件。本稿では省略》。⇒開示決定期間を30日間延長
4 平成29年度から本年度までの間に、田川地区消防組合が発注した工事に関する設計、土工事、建築工事の業者選定過程を示す文書及び契約書。⇒開示決定期間を30日間延長
「福岡県田川地区消防組合情報公開条例」が規定する開示決定期間は15日。組合が規定通りに開示決定したのは2の請求に対するものだけ。1、3、4についてはいずれも30日間延長し、実際の開示までには50日前後かけていた。これまでに開示された文書は2,100枚以上である。

50日近くかけて開示する文書を特定しながら、まずい展開になったら「別の簿冊があった」と主張する消防組合。“別の簿冊とはなにか”との記者の追及に、返ってきたのは「大量の文書の最後の方にあったとか……」という別の言い訳だった。信用しろという方が無理だ。
田川消防組合が発注した工事を巡る疑惑は深まるばかり。特に、現在進行中の消防指令センター建設工事と消防署大任新庁舎建設工事では、組合トップを務める永原譲二大任町長の身内や側近が代表を務める建設業者が次々と仕事を得る状況となっており、関係者から官製談合を疑う声が上がっている。
(中願寺純則)















