【2020鹿児島知事選】「一本化工作」に公選法違反の疑い

今年7月の鹿児島県知事選挙に出馬予定の各候補が活動を進める中、現職の三反園訓氏を倒そうと動く一部の関係者が、ある新人候補に条件を提示して「候補者一本化」に応じるよう説得していることが分かった。

説得の際に出される条件は、決まって「副知事」の座。一本化が実現して首尾よく現職を破ったあかつきには、当選した知事が出馬を断念した新人を「副知事」にするというものだ。

政治の世界ではありそうな取引きに聞こえるが、広がり過ぎたこの話には違法性がつきまとう。

■ポスト提示で「降りて」は違法

多くの選挙関係者の念頭にあるのは、2016年の知事選。反原発派と「政策合意」を結んで一本化を実現させた三反園氏が、4選を目指した当時の知事を破ったという成功例である。

今回の一本化工作で「条件」になっているのが、政策的なことではなく「副知事の座」というわけだ。だが、ポストと引き換えに出馬を見送るよう申し入れることは、法律に触れる行為となる可能性が高い。

公職選挙法は、「公職の候補者及び当選人に対する買収及び利害誘導罪」として、立候補予定者に対し金銭、物品その他の財産上の利益若しくは公私の職務の供与を約束して出馬を取りやめるよう申し向ける行為を禁止しており、違反すると4年以下の懲役若しくは禁錮 又は100万円以下の罰金となるからだ。

「副知事にする」は、公私の職務の供与であり、これを条件に出馬断念を迫れば立派な選挙違反となる。

■各陣営の話

新人陣営の関係者は、「副知事」を前提とした一本化工作があることを認めた上でこう憤る。
「いろんな人が心配してくれるのはありがたいが、戦いを進めている側にとっては迷惑な話。よく勉強してもらいたい」

一方、一本化を持ち掛けたとされる立候補予定者陣営の関係者は、次のように話している。
「うちの候補者は誇りを持って選挙に臨もうとしている。『副知事にするから降りてくれ』なんて口が裂けても言わない人だ。そもそも、ポストをぶら下げての説得なんて、その新人候補にも失礼。そんな話、絶対だめだ」

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