自民・鹿児島県連、三反園知事側の支援要請直後に現金30万配布|「買収」疑う声も

自民党鹿児島県支部連合会(会長:森山裕国会対策委員長。以下、県連)が、7月の知事選で推薦を決めた三反園訓知事を支援するよう所属県議に要請した際、封筒に入れた現金を全員に渡していた問題で、多くの関係者がばら撒かれた現金を「集票」に向けての活動費として認識していたことが分かった。

県連は一人あたり30万円の現金を、その場に居た37名の県議に渡したとみられており、少なくとも総額1,110万円が動いたことになる。

県連サイドは「調査活動費だった」と主張しているが、ハンターがつかんだ現金供与の場景は、どうみても「選挙資金」であることを各議員に自覚させるためのもの。議員らがいた県連内の部屋から、支援要請に来ていた三反園氏の支援団体幹部をわざとらしく退室させ、直後に封筒を配っていた。「姑息な買収劇」(ある県連関係者の見方)に、苦笑をもらす県議もいたという。

■三反園側の支援要請後、封筒配布

ハンターの取材に対し、現金30万円の供与を認めた上で「調査活動費」だと主張する自民党県連。しかし、複数の県議が語った今月8日の県連内の様子からは、反対意見を無視して推薦を決めた三反園氏を、何としても勝たせようとする県連執行部の思惑が透けて見える。

何人もの関係者の証言から現金が配られた今月8日のことを再現すると、次のような流れで事が進んでいた。

・場所は県連内の一室。集まったのは、38人いる自民党県議のうち37人。

・テーブルの上には、各議員が座る椅子ごとに茶色の紙袋。中には、三反園訓後援会のリーフレットが50部、名刺50枚、ポスター10枚、同氏の署名入り推薦依頼10枚、推薦状10枚、事務所の案内など(下の写真参照)。

・元自民党県連事務局長で現在は三反園陣営の事務局長を務めている人物が、三反園サイドからのお願いやグッズの利用法について説明。一通り話が終わったところで、なぜか退室。

・直後、県連の職員が現金30万円が入った県連の封筒を一斉に配布。集まった県議らは、黙って封筒を受け取った。その後、全員が領収書を書かされた。

■コロナに苦しむ県民からは「(政党)助成金返せ」|市民団体から「告発検討」の声も

“買収ではないか”とハンターの記者に追及されたある県議は、戸惑いながら「カネの性質についての説明を聞いた覚えはない。領収書の但し書きが何だったかも記憶にない。ただ、言われてみれば選挙資金としか思えない格好で、誤解を招きかねない」とコメント。別の県議は、「何のためのカネ配りなのか、分からなかった。ただ、流れからして知事の選挙のためだということは理解できた。逆に言えば、そうとしか言えないシチュエーションだった」と振り返る。

三反園事務所の幹部が、選挙の集票に向けた活動について説明し、その直後に現金が配られたとすれば、どんなに鈍い人間でもカネの趣旨は理解するもの。現金供与の目的が知事選の支援にあることは、子供でも分かる話だ。

鹿児島市で従業員数十名を抱える企業の50代男性経営者は、県連の30万円ばら撒きについて次のように話している。
「自民党の金権体質が露呈したということでしょう。自民党県連の政治資金の中には、政党助成金も入っているはず。新型コロナで県民の暮らしや経済に大きな影響が出ている中、知事選でカネをばら撒く神経は理解できない。国民にとって、30万円がいかに大きな額なのか、この連中は全く分かっていない。助成金返せと言いたい」

三反園陣営の活動を巡っては、現金30万円入りの封筒が県議らに配られた翌日となる今月9日、緊急事態宣言を受けて県境を越えての移動や外出を自粛するよう呼びかけていた三反園知事の事務所開きに、東京から自民党県連の森山裕国会対策委員長と野村哲郎参議院議員が出席していたことが判明。自粛要請の張本人と、その男を推薦した自民党の議員が当然守るべきルールを破ったことに、厳しい批判が上がる状況となっている」。

昨年の参院選で買収に走ったとみられている河井案里参院議員と、夫である河井克之元法相の公職選挙法違反事件が大詰めを迎える中での現金供与――。不人気に焦る三反園陣営が禁じ手を使ったことへの波紋は、広がる一方だ。鹿児島県内で活動する市民団体のメンバーからは「大がかりで悪質な買収劇だ。地検に告発することを検討したい」という声が出ている。



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