北海道議会の与党系議員のうち、少なくとも4人が過去5年間に旧統一教会関連団体への支出に税金を原資とする「政務活動費」を充てていたことがわかった。支出状況を調べた野党の議員団は9月13日に記者会見を設けて調査結果を公表するとともに、議会として調査を進めるよう道議会議長に申し入れた。
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政活費の支出状況を調べた日本共産党議員団によると、調査の対象としたのは現時点で旧統一教会関連団体とのかかわりを事実上認めている議員。調査の結果、元議員を含む少なくとも4人(いずれも自民)について過去5年間に懇親会費や視察費など計40万8,345円の関連支出があったことがわかった(修正申告分を差し引いた金額)。
これを問題とした同会派は13日に道議会の小畑保則議長(自民)と面談、議会として旧統一教会関連の政活費支出状況を調査した上で今後一切の支出を禁じるよう要請した。
求めを受けた議長は一連の支出が不適切なものであることを認め、近く幹事長会議にかけて対応を検討することを約束したという。議員団は同要請に併せ、安倍晋三氏のいわゆる「国葬」に議長が参列しないよう求める申し入れも行なった。
13日の会見で共産議員団は、統一教会関連の政活費支出について「実際に調べてみて、こんなにたくさんあったことに驚いた」と話し、次のように訴えている。
「旧統一教会は布教活動などの違法性を認められた反社会的団体。そこへ政務活動費の支出が充てられることはあってはならない。与党はすでに関連団体と一切の関係を断つことを表明しており、地方議員にもそれは徹底されるべき」
指摘の通り、自民党では地方議員であっても教会関連団体との関わりを断つとの方針が茂木敏充幹事長の記者会見などで明かされている。北海道議会でこれがどれほど徹底されることになるかは今後の議長らの取り組みを待たねばならないが、ここでは現時点で同教団との関係を「誇りに思う」と公言している与党議員がいる事実を指摘しておきたい。
本サイトなどで何度かその発言を報じてきた道見泰憲議員(自民、2期)は8月下旬、ツイッター利用者から旧統一教会との関係を問われ「関わってるよ」「お付き合いがある」と明言。同教団の活動に共感を示した上で、「誇りに思う」と書き込んでいた。投稿はその後も訂正されておらず、13日の時点で全文を閲覧可能。同議員の去就を含め、今後の道議会与党の対応が注目されるところだ。
(小笠原淳)
【小笠原 淳 (おがさわら・じゅん)】 ライター。1968年11月生まれ。99年「札幌タイムス」記者。2005年から月刊誌「北方ジャーナル」を中心に執筆。著書に、地元・北海道警察の未発表不祥事を掘り起こした『見えない不祥事――北海道の警察官は、ひき逃げしてもクビにならない』(リーダーズノート出版)がある。札幌市在住。 |