統一教会「霊感商法」 裁判記録に残る汚い手口|脱税工作も

関係した議員の氏名を公表して幕引きを図ろうとした自民党の狙いは外れ、旧統一教会(現在の世界平和統一家庭連合)の問題が深刻化する一方だ。

統一教会を巡って問題視されてきたのは、見ず知らず男女を半ば強制的にカップリングする合同結婚式と、「地獄に落ちる」「先祖が霊界で苦しむ」などと嘘八百を並べて多額の商品を買わせる霊感商法などの反社会的な「商売」である。

これまで、旧統一教会は「霊感商法に関わったことはない」と断言していた。だがハンターは、旧統一教会が率先してダミー会社を設立し、霊感商法に関与してことをを如実に示す裁判資料を入手した。

■ダミー会社元会計による霊感商法の実態

1992年に歌手の桜田淳子さんら著名人が合同結婚式に参加したことで知られるようになった統一教会だが、霊感商法は1980年代から社会問題になっていた。1994年、霊感商法関連の民事訴訟で近畿地方の裁判所に陳述書を出し、法廷で証言したのが元信者のAさん。大阪の繫華街の路上で声をかけられ、統一教会に入信したという経歴の持ち主だ。

まずやらされたのは、統一教会の「修行」のような位置づけになっていた、バンに乗って地方を回りながらの「珍味売り」。その後、合同結婚式に参加したことで信用を得たのか霊感商法に携わることになり、最終的には壺、多宝塔、高麗人参のお茶などを売る「福寿堂」というダミー会社の会計を担当するまでになっていた。

そのAさんの裁判を通じての証言は、統一教会がとても宗教団体とは認めがたい、反社会的な集団であることが分かる驚きの内容だった。

旧統一教会には「万物復帰」というとんでもない教えがあり、万物はすべて神である文鮮明氏のもので、カネを持つことは悪という内容だ。ダミー会社の帳簿上、Aさんには月20万円の月給とボーナスが支給されていることになっていたが、実際には1円ももらえず“ただ働き”だったという。(*以下《 》内は、残るAさんの陳述書から。「 」内は証言

霊感商法の商品ルートについては、《輸入元業者が㈱ハッピーワールド、その系列の卸元業者として㈱世界しあわせ大阪(現在㈱生立商事)、その末端販売会社として㈲福寿堂などがあり、各末端販売会社ごとに委託販売員が置かれている》とある。商品はハッピーワールドから関西地区なら世界しあわせ大阪、そして福寿堂などの末端のダミー会社に流れる。そこで、統一教会はダミー会社を通じて「脱税工作」を行っていたという。

売上金の管理、集計は末端の販売会社が行うが、その仕組みはこうだ。

《(旧統一教会の本部の)会計巡回師の指示に従って契約件数と売上金を末端販売会社ごとに割り振って帳簿に記帳し、統一教会とは無関係を装い実体を隠し、税金逃れに使っていた》

《委託販売員制度を装うことで、実際には販売代金がすべて代理店収入になっているにもかかわらず、末端販売店の帳簿(表の帳簿)は、実際の収入の30~60%くらいで委託販売員に卸した形に記帳して、その分、売上金額をごまかす》

《東京の統一教会幹部が実際に使った交際費の領収書を受け取り地方の末端販売会社社員が東京に出張して使った交際費ということにして計上》

《利益が3%以下になるように帳簿を作成して納税額を最低限に押さえて税務申告》

こうした操作にょって、売上がすべて統一教会に流れるシステムを作っていた。陳述書には、Aさんが8年間もこのような会計に関与していたことまで記されている。

さらに、100%が統一教会の売上になっていることを隠すため、次のような操作も――。

《決算期をハッピーワールドが6月、世界しあわせ大阪が10月、末端販売会社が翌年1月と時期をずらし設定され、上部会社の都合により末端販売会社の帳簿を書き換えるなど辻褄合わせができるようにされていた》

《末端販売会社は概ね3年以内に解散させ、解散と同時期に別の会社を所在地を変えて設立することを繰り返していた。税務調査が3年前後で入る確率が高いので、その直前に解散させる。元の会社とは管轄区域を異にする税務署の管轄区域に別会社を設立して、脱税の実態が露見しないようにする手法》

実際Aさんは、ダミー会社の解散、設立に関する事務作業までやったという。陳述書は、《以上のように、統一教会は表の組織と裏の組織の二重構造を持っていて、裏の組織は実際のお金を管理し、代理店、ブロックを通して文鮮明氏に献金、上納する統一教会の実体そのもの》と結んでいる。

旧統一教会はこれまで「霊感商法で問題になったのは信者の経営する会社」としているが、Aさんは裁判で「(会社となっているが実体は)全部、統一教会」、「(各地区にある)教会と代理店がセットになって霊感商法の商品を販売」と明言。ハンターで報じた霊感商法の記事に出てくるマニュアルについて、「経済力S、A、B、Cとありますが、Sというのは何ですか」と聞かれ、「大体、Sは1,000万円以上持っているとか、Aは500万、Bは300万、Cは100万以下」、「財産別にランクがある」などといった証言を行っている。

そして、商品の購入を決めた人に「アフター」という名のフォローを欠かさないのは、「誰かに商品を買うことを言っていたり、心が変わってないか電話をしたり、買う意思を覆させないようにしていた」ためだと説明していた。

統一教会は、霊感商法を手掛ける信者にノルマを課していたとされ、それを達成できるように「文鮮明夫妻の写真を置いてそれに向かってお祈りをします。お客様が壺や多宝塔を買うようにと」――。最後は、「不動産を売却させてその代金を献金させます。ほとんど全財産を捧げさせます」という段取りになっていた。

これは宗教団体ではなく、カルト集団による詐欺的な悪徳商法。脱税工作までして、韓国にカネを運ぶ統一教会が、「反社会的」であることは疑いようがない。

 

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