起訴された三浦瑠麗氏の夫|注目は大樹総研を巡る捜査の行方

東京地検特捜部は先月27日、国際政治学者・三浦瑠麗氏の夫で、再生可能エネルギー投資会社トライベイキャピタルの代表者・三浦清志被告を、業務上横領容疑で起訴した。今後、事件の舞台は法廷に移る。

清志被告は容疑を否認し続けており、弁護士を通して「引き続き無罪主張をしていく」とコメントを発表。瑠麗氏は自身が代表を務める「山猫総合研究所」のホームページで「夫である三浦清志が起訴されたという事実を知りました。夫の弁護は、弁護士の先生方にお任せしております。家族として支えながら、裁判の推移を見守りたいと思います」と述べている。

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清志被告が問われている業務上横領については、2年前の段階から何度も事実関係を報道してきた。

清志被告が設立した太陽光発電事業の「STC3」が舞台となって、投資された10億円あまりのうち約4億円を同氏が横領したとされる事件だが、捜査関係者は自信を見せる。
「清志被告の会社や自宅などを捜索し、STC3に投資されたカネが2019年10月4日から24日の間に、3回にわたって4億円以上が送金されていたことが分かった。そのカネが、太陽光発電事業以外のことに使われていることもはっきりしている。いくら清志被告が否認しようが、証拠上からも犯意は明らか。当然、そのカネがどう使われたのかについても、しっかりと掴んでいる」

すでに、この事件は清志被告側と投資企業側との間で民事訴訟になっており、投資されたカネの使途については、十分な説明ができていない模様だ。今後、刑事事件の裁判が進むが、清志被告にとっては厳しい展開になるとみられている。

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清志被告の事件以上に動きが注目されている捜査の「大きな山」は、何度も報じてきた政界フィクサー・矢島義也氏率いる大樹総研グループだ。

約1年前の4月、東京地検特捜部は大樹総研の本社や矢島氏の自宅を家宅捜索。大樹と関連が深く太陽光発電事業などを手掛けていた「JCサービス」(2021年に破産)との関係からも目が離せない。

再生可能エネルギー事業には多数の許認可が必要になるため、役所とのつながりが不可欠となる。矢島氏は、永田町や霞が関の人脈を通じて、活発に動いてきたという。「普通じゃできないことを、やってきたと矢島氏は豪語してきました」と大樹総研関係者は話す。

問題は、それが法に触れるのかどうかだ。清志被告と矢島氏をつなぐラインとして「STC Portfolio1合同会社」という会社がある。2017年10月に同社を設立したのは清志被告で、2018年にJCサービスの元代表・中久保正巳氏に職務執行者が移行しており、登記簿には「再生可能エネルギー電気の売却のための発電事業」と記されていた。JCサービスは、2017年に傘下のJC証券から細野豪志元環境相に5,000万円を渡していたことが発覚し、「政治とカネ」の問題で批判を浴びた会社だ。

「清志被告が、なぜJCサービスとつながったのか。JCサービスがなぜ細野氏に5,000万円を出したのか。そこが捜査のポイントの一つ。当然、矢島氏がかかわったのではないかとみられる。それが矢島氏への突破口になる可能性はある」という見立てをする捜査関係者もいる。

清志被告の容疑は業務上横領だが、特捜部はそこに至る経緯やメール、携帯電話のデータなどを突きつけて大樹との関係を追及するはずだ。

渦中の矢島氏は、周囲に「逃げ切った」と吹聴しているらしく、大樹関係者は次のように内情を明かす。
「矢島さんは、大樹総研の顧問先が『300くらいある』と以前から豪語していました。月10万円、30万円などとコースが分かれています。ただし、現在は一連の疑惑で半分に減ったと聞いています。受付にいた女性スタッフもやめさせたようで、いなくなりました。オフィスも縮小して経費節減しています。それでも矢島さんは意気軒高、あまり東京にはおらず、北海道のゴルフ場に入れ込んでよくプレーしています。彼はアナログ人間で、携帯電話もガラケーを愛用。メールなどは一切使えません。なんでも直接話すことにしており、やばそうなことで動かすのは現金です。大物政治家に対してもそうだと思います。特捜部が捜索しても決定的なものが出ないのはそのためでしょう」

「政界フィクサー」として名をはせ、永田町や霞が関で名を轟かせてきた矢島氏。実は、もう一つの「裏の顔」があることを、捜査関係者は知っている。

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