馳浩石川県知事「定例会見拒否」の理由

昨年春、保守分裂選挙を勝ち抜いて当選した石川県の馳浩知事。文科大臣や自民党の要職を歴任してきた人物であることから期待も大きいのだが、「報道されるのはトラブルやもめごとばかり。頭が痛い」と石川県の関係者が頭をかかえる。一体何が起きているのか――。

◇   ◇   ◇

馳知事は今年3月から新聞社やテレビ局との定例会見を拒否。報道各社との「冷戦」が続いている。
プロレスラーとしてもその名を知られる馳氏は今年元日、日本武道館で開催された「プロレスリング・ノア」の興業にレスラーとしてサプライズ参戦。県民や県議会からケガなどの事故を危惧する声が上がったが、「生涯プロレスラーだ」と述べ、今後も試合に参加する可能性を示唆した。知事の仕事よりプロレスの方が大事だということだろう。

実は、記者会見が行われなくなったのも、プロレスがきっかけだ。昨年、石川テレビ放送が製作したドキュメンタリー「裸のムラ」で、保守王国石川県の現状を「ムラ社会」と表現。馳氏が当選した知事選の模様なども取り込んだ内容だった。

しかし馳氏は、自身や県職員の映像が「無断使用された」として石川テレビに抗議、「報道ではなく、私にも公務員にも肖像権がある」、「石川テレビの社長が定例会見に来たら話し合いたい」などと主張した。

「裸のムラ」の内容を確認してみたが、まさにドキュメンタリーで、選挙や馳氏の公務の様子など映像は公益性があるもの。特段の問題はあるとは思えない。それでも馳知事は今も定例会見の拒否を続ける。

「4月14日になってようやく臨時会見が開催されましたが、通知されたのは開催1時間前。知事は衆議院議員時代から異論や厳しい論調の報道を嫌う人で、定例会見の拒否を条件にしてメディアコントロールをしたいのではないでしょうか。臨時会見の内容も“戦略広報監”というポストを新設し、そこにNTTのOBを採用するという告知に過ぎなかった」(報道関係者)

定例会見はこれまでと変わらず拒否の姿勢で、知事は「地方公務員の肖像権の取り扱いというのは、基本的人権に関わる問題。私の持っている違和感、これ倫理的な問題」と繰り返す。あまりに強硬な定例会見拒否の姿勢――。実はそこに、出されたくない裏事情があることが浮かび上がってきた。

北國新聞の4月11日朝刊に、ある事件の概要が報じられた。

《恐喝未遂と傷害の疑いで、金沢市入江2丁目、会社役員石村恵祐容疑者(45)を逮捕した。逮捕容疑は3月17日午前9時から午後3時の間、役員を務める市内の自動車整備会社の工場で部下の60代男性に対して仕事内容の不備を指摘して怒鳴った上、現金数十万円を要求。胸や腹などを蹴るなどして全治12日間のけがを負わせた疑い》

馳知事が「嫌う」ニュースが、どうやらこれなのだ。

馳氏が知事に勝利し、初登庁した日から3日後の昨年3月30日。知事はフェイスブックに、石村容疑者らと知事室で撮影したスリーショットを投稿した。ある自民党の石川県議が次のように話す。
「馳知事の原点はプロレスーーつまり興業の世界。県庁周辺では、石村容疑者はタニマチのような存在で、知事が世話になっていたと言われている。石村容疑者との危うい関係は、知事選以前から囁かれていた。知事は高校野球の名門・星稜高校出身で、石村容疑者の子どもは星稜高校野球部です。おまけにスリーショットのもうひとりは、当時の野球部監督・田中辰治氏です」

まず石村容疑者について調べてみると、自動車修理工場G社を実質的に経営。ほかにも介護や医療事業の会社経営をしていることが登記簿からわかる。田中氏については、さらに衝撃的な事実が判明する。

昨年9月、講談社の「現代ビジネス」が“【独自】松井の母校・星稜高校野球部監督が「試験問題をLINEで漏えい」で出勤停止180日”とスクープした。田中氏は、星稜高校野球部監督で教員として社会科も受け持っていたが、自身の親族も星稜高校もしくは傘下の星稜中学校に通っているのだという。その田中氏は昨年5月、LINEで親族にテスト問題を送信していた。教師としてあるまじき行為に対し、180日間の出勤停止処分が下されていた。

「常識的に考えて、学校の先生が180日の出勤停止となればクビ宣告も同然。普通なら自ら身をひきます。しかし田中氏はやめるどころか『野球部監督に復帰して選手にノックしたい』などと今いる部員にメッセージを送信していると聞いています。4月からは生徒に対して教べんまでとっています。テスト問題を漏えいするような先生が、ですよ。本当におかしい。文科省から認可を受けている学校法人とは思えない。田中氏のような人物が教職として復活できたのは、旧知の馳知事が裏でバックアップしているからではと、星稜高校の中では噂されています」(学校関係者)

馳知事は石村容疑者が逮捕される前後にフェイスブックのスリーショット写真を削除。うまく証拠を隠滅した。また、田中氏が出版した著書「人間性も野球も日本一」(ベースボール・マガジン社)について「私も読みました」と投稿していた。馳知事のかつての仲間である安倍派の国会議員は、突き放した見方だ。
「馳知事も教員免許を持ち、星稜高校で国語の先生をしていた。石村容疑者の逮捕と近接していることから、その問題が定例会見拒否につながっているという見方も石川県庁から聞こえてくる。知事就任直後に起きた石村容疑者の事件や星稜高校の問題監督、田中氏との関係を追求されるのが嫌なのではないか。定例会見拒否というのはあまりに大人げない。県を代表する知事のやることとは思えない」

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