梅村みずほ非常識発言と日本維新の会の本質

2021年3月6日、名古屋出入国在留管理局にオーバーステイで収容中だったスリランカ国籍の女性、ウィシュマ・サンダマリさんが体調不良を訴えていたが十分な治療を受けられず死亡。真相が明らかとなり、大きな社会的問題となった。
そこに噛みついたのが、日本維新の会の梅村みずほ参議院議員。今月12日の参議院本会議で「よかれと思った支援者の一言が、ウィシュマさんに『病気になれば仮釈放してもらえる』と淡い期待を抱かせ、医師から詐病の可能性を指摘される状況も否定できません」と発言し、大炎上した。

■根拠なく人権無視の主張

ウィシュマさんの死因は特定されていないが、食事が食べられず低栄養となったことによる衰弱死などが指摘されている。日本国内で重罪を犯したわけではなく、オーバーステイで収容されたに過ぎないウィシュマさん。日本の入管の在り方が大きく問われているにもかかわらず、梅村議員はウィシュマさんが「詐病を使った」「問題がある」と主張した。

参議院本会議の映像では、「違う!」と梅村氏に抗議の声があがり、騒然とする議場の様子が確認できる。それでも梅村氏は発言を撤回するどころか5月16日に行われた入管法改正案の審議の中で、さらに「ウィシュマさんは、ハンガーストライキによる体調不良で亡くなったのかもしれない」と根拠のない自説を展開。永田町だけでなく、世間全体を呆れさせた。

参議院法務委員会には、ウィシュマさんが入管に収容されていた時の5時間分の動画が提供されている。『令和3年3月6日の名古屋出入国在留管理局 被収容者死亡事案に関する調査報告書』も公開されており、閲覧可能だ。

調査報告書には、例えば2月23日の午前3時38分に脈拍120だが、同日午後4時1分には70と半分に低下。体調が安定していないのは一目瞭然である。死亡直前の3月4日、5日そして亡くなった6日には《脱力して測定できず》との記述があるほどだ。どこが「詐病」なのだろうか。

5月18日、社会から厳しい批判を浴びる中、梅村氏はにウィシュマさんや家族らにむち打つかのように「デマじゃない私の根拠は調査報告書、資料、ウィシュマさんのビデオです。そして導き出した可能性だ」とまたも「暴論」を公表する。

だが同日、維新の藤田文武幹事長と音喜多駿政調会長が記者会見し「梅村議員は感情的に質疑しており、極めて不適切。党の見解とも相違している。お詫びをする」として梅村議員を法務委員会から「更迭」し、「党紀委員会に諮り処分を決める」と頭を下げた。

■当初は梅村擁護

国会で、3度もでウィシュマさんやその家族、関係者を冒とくする発言を続けた梅村氏。音喜多政調会長は当初、「12日の本会議(の梅村発言)は、問題提起として容認されうる」として政調会として了承したうえでの質問であったことを認め、世論の批判が高まるや、一転してダメ出しするという醜態を演じた。

処分して幕引きを図りたいらしいが、維新が本当に反省しているとは思えない。それを象徴するのが、前述した動画に映った梅村議員の質問のあとの場面。クレーム、抗議があがる中、維新の所属議員たちが拍手をもって迎えてたのが分かる。同じ穴のムジナというしかない。ある維新の衆議院議員が、こう反省する。
「問題児の暴走を止められなかった。党として大きな責任がある。あの質問を拍手で讃えたことで、梅村はますます変な自信をつけたんじゃないか」

梅村氏は当選1回。選挙区は、維新が強固な地盤を誇る大阪だ。昨年8月、日本維新の会の代表選挙に出馬したことで注目されたが、それ以前に、刑事事件絡みで有名になっている。

2021年4月に彼女の秘書(当時)が、知人の男性を乗用車ではねて殺害しようとしたとして大阪府警に殺人未遂容疑で逮捕されていたのだ(後に不起訴)。「梅村はとにかく目立ちたがり屋で、維新の中でも不評を買っている存在。一例が、代表選出馬だったんです。党内では、もう庇いきれないというのが大方の意見。次の参議院選挙では公認されないのではないですかね」

■牽強付会がお家芸

ハラスメントや人権侵害が維新の体質なのか、大阪府議会で維新の府議団代表まで務めた笹川理議員が、大阪市の宮脇希市議にセクハラ、パワハラを繰り返していたことが明らかとなっている。

当初、日本維新の共同代表である吉村洋文大阪府知事は、笹川府議のセクハラなどが2015年のことだとして、「容認」ともとれるような発言をしていた。しかし、世論の批判が強くなると《笹川議員の件に関し、府民の皆様にお詫び申し上げます。本件については事実関係調査をさらに続けた上で最終判断をします。また、再発防止が重要ですので、同種事案の有無含め、全議員対象の調査を行います》とツイート。笹川府議を切り捨て、批判かわしに走った。

当の笹川府議は、事実関係を認めて府議団代表を辞任すると表明したが、府議辞職は否定。維新の内部からも「ふざけている」「身を切る改革と言いながら、身を守っている」と非難の声が上がる始末だ。

2021年9月の大阪府議会で、笹川府議はこんな発言をしていた。「(私は)小心者なんで、恥ずかしいですけども、ちょっと下手くそな一首を詠ませていただきたいと思います。面白きこともなき世を面白く、維新の真髄、次世代のために」。まさに「ふざけている」。

当初、「暴論」「セクハラ」を容認するも、世間の批判が高まると急転換して厳しい対応――旗色が悪くなるたびに牽強付会の自己弁護を繰り返す、維新特有の悪い癖が出た格好だ。吉村府知事は堺市長選で「維新も100%ではない。たまに不祥事もある」と演説したが、梅村氏の暴論・大炎上、笹川府議のハラスメントは、人として許されないもの。しかも、「たまに」ではあるまい。小手先のごまかしが通用するほど世間は甘くない。

 

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