【速報】福岡県田川市が永原譲二大任町長を刑事告訴へ|同事案で市議らも刑事告発

 自治体が、他の自治体の首長個人を「刑事告訴」するという、前代未聞の展開となった。

 福岡県大任町の永原譲二町長が、田川市に発出した“ごみ処理施設”関連文書の情報公開請求に応じないよう村上卓哉田川市長に強要・脅迫ともとれる発言を以て迫った問題で、同市がきょう福岡県警に、永原氏を威力業務妨害もしくは強要未遂の疑いで刑事告訴することが分かった。

 同じ問題で、7人の田川市議会議員が強要未遂の疑いで永原町長を刑事告発する方針で、証拠の録音データが残されていることから、田川市・郡内で強権支配を続けてきた実力者に捜査の手がのびる可能性が高いとみられている。

 ◇   ◇   ◇

 問題の発端となったのは、田川郡内にある8市町村で構成する「田川郡東部環境衛生施設組合」が整備を進めるごみ処理3施設の整備工事。「大任町ごみ処理施設」「汚泥再生処理センター整備工事」「大任町一般廃棄物最終処分場浸出水処理施設整備工事」の3件の工事で、判明分だけでも合計約350億円もの予算が支出される予定だ。

・大任町ごみ処理施設整備工事:契約金額220億円
・汚泥再生処理(*し尿処理)センター整備工事:契約金額89億8,560万円
・大任町一般廃棄物最終処分場浸出水処理施設整備工事:36憶円

 永原氏は、3件の工事の積算書や工事体系図などを非公表にしてきたが、今年4月の田川市長選で町長の方針を支持してきた義弟の二場公人前市長が惨敗。新市政になったのを機に佐藤俊一田川市議が、非公表の理由を記した永原氏発出文書の開示請求を行っていた。

 この開示請求の内容と請求者を、あろうことか田川市の池口芳幸環境政策課長(当時。現在は市立病院総務課長)が永原氏にご注進。永原氏は6月23日に田川市役所の市長室に乗り込み、「自治体間で(問題の文書を)表に出さないという申し合わせがあった」とする根拠不存在の主張に基づき、「(文書を)出すのなら、田川市長名に作り替えた文書を出せ」などと約1時間にわたって自身の名義で発出した公文書を開示しないよう強く要求。首を縦に振らない村上市長に対し、「(田川郡東部環境衛生施設組合の)議会から出ていけばいい。いやなら自分たちで(ごみ処理施設を)建てりゃいい」、「あんた方には協力せん」、「こんなことしとったら、あんた、4年間もたんよ」などと脅していた。

 7月6日、こうした経緯を西日本新聞が朝刊の1面トップで報道(下の画像参照)。翌7日、田川市民の生活をたてにとった永原氏の暴走に危機感を持った田川市議7人が記者会見し、市長に強要・脅迫行為を行ったとして刑事告発することを表明していた。

 永原氏はこれまで、ごみ処理3施設の事業費について積算根拠を示さないまま「説明している」と強弁。不透明な事業実態に批判の声が上がり始めたため、「建設事業について新聞やマスコミなどで様々な謝った情報が出ています」「正しい情報をお知らせします」などと記した噴飯ものの『田川地区広域 一般廃棄物処理施設 概要案内』(下、参照)という冊子を公費で作成し、田川郡内8市町村の全戸に配布を始めている。

 冊子では、建設費を「約67憶円の削減」などと説明しているが(*下の画像参照)、問題になっているのは事業費の算出根拠を頑として開示しない永原氏の姿勢。冊子の中面には3施設それぞれの大きな工事費を並べて「削減」を謳っているものの、それらの当初予算が妥当か否かを判断する材料は一切示されていない。永原氏が声高に唱える建設費削減は、噂される「裏金」の動きを糊塗するための偽装とみるべきだろう。

 永原氏の暴走が刑事事件化したことに対し、町長辞職を求める町民の声が上がるのは必至。この件を巡る大任町議会や捜査当局の動向に、注目が集まりそうだ。

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