「TMリポート」入手|ズブズブだった安倍、萩生田両氏と旧統一教会

印刷すると3,212枚にも及ぶ膨大な資料を独自に入手した。世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の総裁、韓鶴子被告(現在政治資金法違反容疑で公判中)にあてて、日本の教会から送られた「TMリポート」(トゥルーマザー・リポート)である。

大半が韓国語で書かれているが、そこには日本の政界に対する裏工作やロビー活動の実態などが詳細に記されていた。また、2022年7月、安倍晋三元首相の銃撃事件で逮捕、起訴された山上徹也被告に関する記述もある。膨大な情報の中でとりわけ目立つのは、安倍元首相、高市早苗首相、萩生田光一幹事長代行といった自民党関係者との“蜜月”を示す報告である。

◇   ◇   ◇

19年7月、当時の教会会長だった徳野英治氏は安倍元首相と面談した際のリポートを韓被告側に報告している。

《本日7月2日、午前1120分に自民党本部総裁室の隣にある応接室で、安倍首相と萩生田光一自民党幹事長代行の2名と面談いたしました。こちらからは、私と梶栗日本UPF議長、横田平和連合理事長、渡辺平和連合元副会長、そして以前モンゴルのナショナルリーダーであった松本康平和連合事務総長など5名でした》

24年9月、朝日新聞は、2013年の参議院選挙前に安倍氏が教会幹部と面談したことを写真付きで報じた。その6年後も、安倍元首相は教会幹部と会っていたのだ。リポートはさらに続く。

《面会時間は20分。自民党本部の応接室は、戦後日本の政治を担ってきた与党自民党の歴代総裁の写真がすべて掲げられている自民党の歴史そのもの。日本政治の歴史を象徴するような応接室。岸、福田、中曽根、田中、小渕元首相をはじめ、歴代すべての自民党総裁の写真が飾ってあった》とあり、安倍元首相側がいかに教会を重要視していたかがうかがえる内容だ。

徳野氏は201212月に安倍元首相が2度目に総理の座について、《現役首相と家庭連合会長という立場で会ったのは4回目》というから、親密さがうかがえる。

教会は安倍元首相に会うにあたって、一つの「工作」を念頭に置いていた。間近に迫っていた参議院選挙対策だ。

《安倍首相と萩生田幹事長代行が我々に最も確認をするべきことは、今回の参議院選挙で安倍首相が推薦する北村経夫議員を家庭連合がどこまで支援するのかという点です》――参議院選挙で、教会として北村氏にどの程度の支援をするのか、その確認のための会談だったというわけだ。リポートはさらに続く。

《「これまでの(教会)票は10万票。今回は30万票が目標。最低でも20万票を死守いたします」と、すべての組織を挙げて当選させますと宣言しました。それに対して(安倍元首相は)顔をほころばせ大変喜び、安心した様子》

そして、教会は安倍元首相に韓被告の「伝言」として《神様と真の父母様(教会の韓氏と創設者、文鮮明氏を指す)と全人類のために、世界から尊敬される日本になってほしい》《韓国を愛し韓国と一つになり、韓国と共に韓日一体化の正しい方向へ日本を導いてください》などと、教会の「教義」にあたる内容を伝えたと記す。ズブズブの関係だったのは確かだろう。

統一教会の「教義」では、「天皇陛下を韓国に跪かせる」「日本は韓国の属国になればいい」というが前提。つまり、日本が教会のしもべのように働けば、選挙を手伝ってやる、票を集めてやるという姿勢だ。

会談の後半、教会側は「贈収賄」とも思えるとんでもない行動に出る。

《最後に、韓鶴子総裁が安倍首相へ「G20サミットを成功裏に終えたことに対して労って、今後も日本が正しい方向へリードすべきとの激励で特別プレゼントをしたい」といい、エルメスのネクタイをプレゼントしました。萩生田幹事長代行にもネクタイを差し上げました》《「お母様(韓被告)から安倍首相へのプレゼントだと言えば、それを通じて真のお母様と心情的に繋がりやすくなる》

日本の総理大臣が、カルト組織の代表からネクタイをプレゼントされていたというのだ。韓被告は現在、韓国で逮捕され、有力政治家への贈収賄で罪に問われている。そのような人物から、安易にネクタイを受け取っていた安倍元首相と萩生田氏はいったい何を考えていたのか。ネクタイの原資は、教会が解散命令に追い込まれる原因となった日本国民による「献金」にあることは明らか。場所は自民党本部。開いた口が塞がらない。

プレゼント後は参議院選挙について具体的な説明がなされたとも記されている。安倍元首相はすっかり教会側のペースにはまってしまったのか、徳野会長ら参加者と記念撮影。そのあと、こうなる。

《驚いたことに帰る直前、安倍首相に見せたアルバム、これはお母様(韓被告)にお見せする大きなサイズのアルバム。(安倍氏はこれを)欲しいと言ってきたのです。私は『もちろん、喜んで』と差し上げました。それを安倍首相が家などでじっくり見ることになれば、将来、大きな摂理的な(宗教的な)プラス効果が期待できると思った》

そして、最後に《明後日7月4日が参議院選挙の公示日、投票は7月21日。期待通り北村経夫議員を参議院選挙で当選させれば、もう一度安倍首相とじっくり会えるはず。短いが、未来につながる素晴らしい面会》と綴っていた。

◇   ◇   ◇

3,200ページを超えるTMリポートには、「反社会的勢力」と糾弾される旧統一教会と自民党中枢の“蜜月”を具体的に述べている記述が数えきれないほどある。その信憑性については、執筆者の一人である徳野英治元会長が、SNS上で“「TM特別報告」には、私が韓総裁に報告するために元世界本部長に送った報告が含まれているのは事実です”と認めている。

同リポートはすでに広くマスコミに出回っており、韓国語の翻訳と裏どりができ次第、報道が過熱し疑惑は拡大するはずだ。ある自民党の重鎮は、次のように話している。

「衆議院の解散総選挙前に、これ(TMリポートの内容)がどんどん報じられるとまずい。せっかく高市人気が高いというのに……。高市さんはTMリポートの内容が広がる前に解散と思ったのでしょうが、自重すべきだった」

リポートの中に、突然の解散総選挙に打って出て「高市劇場」を狙った高市氏が登場するのは32回。いずれ説明責任を求められることになる。

この記事をSNSでシェアする

関連記事

最近の記事一覧

  1. 印刷すると3,212枚にも及ぶ膨大な資料を独自に入手した。世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の総…
  2.  通常国会冒頭での解散総選挙を決断し、「高市劇場」の幕を開けた女性総理。それに便乗する形で大阪府…
  3. 高市早苗首相が、突如として踏み切った解散総選挙。連立を組む日本維新の会は、衆議院選挙の投開票日に合わ…
  4. *マドゥーロ大統領(トランプ大統領SNSより)  少しずつだが、歴史はより自由で、より公平で、より…
  5. 田川市・郡の8市町村で構成する「福岡県田川地区消防組合」の管理者を務める永原譲二大任町長が、…




LINEの友達追加で、簡単に情報提供を行なっていただけるようになります。

ページ上部へ戻る