【速報】北海道新聞が購読料値上げ|6月から500円増の4,300円に

ブロック紙・北海道新聞がおよそ3年ぶりに購読料金の改定を決めたことかわかった。本年6月から、現在の月ぎめ購読料を税込み3,800円から500円値上げして同4,300円とし、小売店での1部売りも30円増額の180円とする。同社関係者の証言や内部資料などからわかった。

◇   ◇   ◇

取材によると、値上げの要因は「用紙代など製作費の高騰」。現在の料金体制では大幅な赤字が避けられないとし、今月上旬の取締役会で値上げ方針が決まったという。料金改定は2020年10月以来、2年8カ月ぶり。同紙は昨年9月に夕刊の発行を休止したばかりで( 既報 )、その時点での朝夕刊セット購読料は4,400円だった。本年6月改定というスケジュールが事実とすれば、朝刊のみの体制となってから僅か8カ月で、もとのセット料金並みの価格に値上げすることになる。

9日午後までに購読料改定方針を伝え聴いたという道新関係者は、「愚策の最たるもの」と歎息、「夕刊がないのに、先日据え置きを発表した読売新聞のセット料金とほぼ同額。これでは現在の減部数のペースが加速し、70万部ぐらいまで落ち込むかもしれない」と危惧する。10年ほど前に退職した元記者も「ますます読者離れが進むだろう」と予想し、「新社屋の建設費、使い道のない旧社屋……。今の道新は問題山積だ」と、古巣の行く末に不安を隠さない。

料金改定は紙の購読料のみで、ウェブ版の「北海道新聞デジタル」の利用料は現在の税込み3,300円に据え置かれる。公表の時期は不明だが、昨秋の夕刊休止の告知と同様、紙面に社告を掲載する形で読者に周知することになる可能性が高い。

(小笠原淳)

【小笠原 淳 (おがさわら・じゅん)】
ライター。1968年11月生まれ。99年「札幌タイムス」記者。2005年から月刊誌「北方ジャーナル」を中心に執筆。著書に、地元・北海道警察の未発表不祥事を掘り起こした『見えない不祥事――北海道の警察官は、ひき逃げしてもクビにならない』(リーダーズノート出版)がある。札幌市在住。

 

 

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