【速報】北海道新聞・9月30日付で夕刊廃止|8月28日の取締役会で決定、9月1日に社告

北海道新聞社(札幌市中央区、宮口宏夫社長)が夕刊の発行打ち切りを検討していた問題(既報)で、当初伝わった情報の通り9月30日付で休刊となる方針が決まったことがわかった。8月28日の取締役会で決定したもので、一般読者へは9月1日付の紙面で周知することになる。朝刊のみの1カ月あたり購読料3,800円は10月以降も据え置かれる見込み。

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道新関係者によれば、夕刊休止のおもな理由は「用紙代の値上げ」や「夕刊配達経費の負担増」など。休刊が決定した28日には会社から労働組合へ説明の場が設けられ、方針への理解と協力が求められた。

労組側が昨年12月の社長団交で夕刊存続が確認された経緯に触れ「それから半年あまりで判断を変えた理由の説明を」と求めると、会社側は「諸物価の高騰が想定以上となり、とりわけ用紙代でこれまでにない大幅値上げを求められた」と説明、「大きく状況が変化した場合には今回のような重い決断も行なわなければならない」と理解を求めた。

労組など社員への説明が遅れたことについては、組合側から「多くの組合員から『会社は社員を信用していないのでは』『やる気をそがれた』との声が上がっている」との指摘があり、また一部の現場では春の段階で内々に説明があったことから「部署ごとに対応が違うのは極めて不誠実」との批判も上がった。

これを受けた会社側は、あくまで夕刊廃止方針が28日の取締役会での決定事項であると強調した上で「休刊が経営に与える影響をぎりぎりまで見極める必要があった」と弁明、部署ごとの対応の違いについては「事実関係としてあたらない」と労組の指摘を否定した。休刊に伴う要員の見直しなどは、今後改めて提案するとした。

関係資料によれば、道新の夕刊発行部数は本年7月時点で23万3,784部と、全国の地方紙では最多。朝夕刊の1カ月購読料は4,400円だが、朝刊単独紙となる本年10月以降は現在の朝刊のみ購読料と同額の同3,800円となる。

(小笠原淳)

【小笠原 淳 (おがさわら・じゅん)】
ライター。1968年11月生まれ。99年「札幌タイムス」記者。2005年から月刊誌「北方ジャーナル」を中心に執筆。著書に、地元・北海道警察の未発表不祥事を掘り起こした『見えない不祥事――北海道の警察官は、ひき逃げしてもクビにならない』(リーダーズノート出版)がある。札幌市在住。

 

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