遠山清彦元公明党衆院議員に迫る「Xデー」|特捜部の狙いは“贈収賄”

東京地検特捜部が捜査を進めてきた日本政策金融公庫の融資を巡る事件が、主役の立件に向け動きはじめた。

特捜部のターゲットは、緊急事態宣言の発令中に銀座のクラブで飲食したり、政治資金を使ってキャバクラ遊びをしていたことなどが露見し今年2月に議員辞職した遠山清彦元公明党衆院議員。公庫に「口利き」した見返りに多額の現金を受け取っていたとみられており、ここにきて「財務副大臣」の肩書を使った犯行の全体像がわかってきた。

◆  ◆  ◆

今年8月4日、特捜部が家宅捜索したのは公明党の吉田宣弘衆院議員と太田昌孝衆院議員(当時)の議員会館内の事務所。同じ日、福岡市内のタワーマンションにある遠山氏の自宅や東京都千代田区内で経営している会社も捜索を受けたことが分かっている。

罪名は、遠山氏の元秘書二人が日本政策金融公庫などの融資を、貸金業の登録をしないまま「口利き」して手数料をとっていたという貸金業法違反。遠山氏が議員辞職後、二人が吉田氏と太田氏の秘書になっていたため、議員会館が捜索対象となった。だが、特捜部の狙いは、当初から遠山氏。背後で2人の元秘書を操っていたとみて調べを進めてきている。

遠山氏の「口利き」ビジネスに関与していたのが、環境関連会社(本社・東京都港区)の社長M氏と通信販売会社の(本社・東京都港区。現在は解散)のK氏。M氏は、6年ほど前に公明党の元都議で「ドン」と呼ばれた藤井富雄氏から遠山氏を紹介されたという。遠山氏は、「公明党の重鎮、藤井元都議のご紹介で来室されたMさんと」とツイッター上に投稿していた。

M氏やK氏の手口はこうだ。まず、関係する会社を遠山氏に紹介し、政治資金パーティーのパー券購入や献金という形で協力させる。そこで、日本政策金融公庫から融資を得たい会社があれば、遠山氏の秘書らにつなぎ、融資が獲得できた際には手数料を得る。M氏とK氏のラインを使った融資斡旋で、遠山氏側に総額約1,600万円が渡っていたという。そうした事案に登場する人物の中で最も注目されているのが、今年5月に、太陽光発電を巡る詐欺事件で逮捕・起訴された「テクノシステム」の社長・生田尚之被告である。

生田被告らは、太陽光発電システムを開発すると称して金融公庫から融資を引き出したが、実際には別の使途に資金を費消していたとされる。その生田被告はM氏を通じて遠山氏と知り合い、本サイトでも報じた通り、遠山氏の公明党支部に100万円を献金していたことが分かっている。(参照記事⇒「特捜部が狙う問題企業と政治家の関係|広告塔は小泉親子、公明支部には100万円

2019年9月、遠山氏は財務副大臣に就任する。それを待っていたかのように、生田被告は遠山氏に日本政策金融公庫への融資斡旋を陳情していた。ある捜査関係者は、贈収賄事件の焦点についてこう話す。
「テクノシステムは日本政策金融公庫から1億円の融資金返済を迫られていた。そこで、借り換えのために追加で4億円を融資するよう求めたが却下され、K氏を通じて再度申し込んだがそれでもダメ。最後の最後で遠山氏を頼り、融資が実行された。遠山氏が直接動き、口利きした形跡がある。生田被告は、銀座のクラブでM氏が同席する中、遠山氏本人に謝礼として現金100万円を渡したようだ」

つまり遠山氏は、日本政策金融公庫の監督権限がある財務副大臣の立場を使って圧力をかけ、生田被告側への融資を実現させたということ。特捜部にとって、貸金業法違反は入り口。いきなり贈収賄で立件する可能性もある。いずれにせよ、「Xデー」が迫っているのは確かである。

今年10月の総選挙で神奈川6区から出馬する予定だった遠山氏は、将来の公明党代表と目されていた人物。遠山氏の知人は、生田被告との関係について、次のように解説する。
「遠山さんは奥さんの体調不良もあって、ほとんど独身のような生活だった。夜は暇でしょうがない。もともと遊び好きだった彼は、銀座の夜遊びに繰り出すようになる。それを教えた一人が、テクノシステムの生田が出入りしていた大樹総研の矢島という人だったらしい」

矢島氏とは、政権中枢との関係が取り沙汰されてきた民間のコンサル会社「大樹総研」のトップ、矢島義也氏のことを指す。大樹総研は近年、政界絡みの経済事件で度々捜査線上に浮かんできた会社だ。確かに、テクノシステムの生田被告とも関係がある。動き出した遠山氏の事件から、益々目が離せなくなってきた。

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