江差区検、道新記者盗撮の町職員を略式起訴 |スカートをたくし上げて下着を撮影

本サイトが昨年8月に報じた北海道・乙部町職員による女性記者盗撮事件(既報 )で12月下旬、地元検察が加害者の男性職員(65)を性的姿態撮影処罰法違反で略式起訴したことがわかった。当該職員を停職2か月の懲戒処分としていた町は事件の詳細を公表していないが、今回の検察の起訴によりその犯行が悪質な故意犯だったと疑われていたことがわかった。

◇   ◇   ◇

事件は昨年1月6日の深夜に発生。町内のスナックでの宴会に誘われた北海道新聞の女性記者が、酩酊して寝込んでいる最中に盗撮の被害に遭った。昨年夏に関係各所へ取材した筆者の把握では、既報の通り「前後不覚になった女性記者の衣服の裾が乱れて下着が見えている姿」が盗撮された事実が確認されるに留まっていたが、12月25日付で事件を江差簡易裁判所へ略式起訴した江差区検の起訴状によると、加害者の町職員は故意に下着の見える状況をつくって盗撮行為に及んでいた。同職員は、前後不覚となった女性記者のジャンパースカートの裾をたくし上げ、下着のことさら性的な部分を記録するような写真をスマートフォンで撮影したという。

加害者の男性職員が停職の懲戒処分を受けたのは、事件から半年が過ぎた昨年7月。時間差の理由は、町が公式に事件の事実を認めるまでに3カ月以上の時間を要したため。問題の宴会には乙部町職員30人ほどが参加しており、その一部が盗撮行為を目の当たりにしていたはずだが、町が被害女性の勤務先である北海道新聞に事実を報告したのは事件3カ月後の4月に入ってからだった。また盗撮現場には道新の別の男性記者が居合わせていたことがわかっているが、同記者も職場や被害女性と情報を共有しようとしなかった。事件翌日に同記者から経緯を伝え聞いたとされる町長も、やはり4月まで事実を伏せていた。町は昨年8月時点での筆者の取材に「隠蔽の意図はなかった」と答えているが、いかにも苦しい弁明と言わざるを得まい。同じく現場に立ち会ったとされる男性記者は「何も話せない」とするのみだった。

今回の略式起訴を受けての取材には、乙部町、北海道新聞ともに「コメントはない」としており、被害を受けた女性記者の代理人も現時点で取材打診に応じていない。女性記者は事件後に異動し、現在は別の勤務地で記者職に就いていることがわかっている。

事件をめぐっては、乙部町や男性記者の隠蔽疑いなどを批判的に報じた地元月刊誌『北方ジャーナル』昨年9月号の記事に対し、北海道新聞が文書で抗議を申し入れる出来事があった。当時の抗議書によると、同記事には「被害に遭った弊社女性社員の特定につながる情報が複数記載されて」いるという。ひいては「二次被害を招く可能性がある」との指摘だが、被害女性自身の代理人からは今に到るまで記事内容への苦情や訂正の申し入れなどは届いていない。

(小笠原淳)

【小笠原 淳 (おがさわら・じゅん)】
ライター。1968年11月生まれ。99年「札幌タイムス」記者。2005年から月刊誌「北方ジャーナル」を中心に執筆。著書に、地元・北海道警察の未発表不祥事を掘り起こした『見えない不祥事――北海道の警察官は、ひき逃げしてもクビにならない』(リーダーズノート出版)がある。札幌市在住。

 

 

 

 

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