4月1日から、自宅やホテルの個室など適用除外となる場所以外、原則屋内禁煙。2名以上の利用者が滞在するすべての施設が、喫煙できなくなる。2018年7月に受動喫煙をなくすため、健康増進法の一部が改正され、4月から完全施行となるからだ。
公共施設では、すでに昨夏から屋内の喫煙室や屋外の灰皿が姿を消しており、一部の飲食店だけ、喫煙席と禁煙席を分けるという“分煙”対応でたばこが吸える環境が残っていた。
4月からは、いずれの施設内でも原則禁煙となるため、普段愛煙者が一服するために立ち寄っていたカフェなどでは、新たな禁煙対応に追われている。
唯一喫煙が可能となるのは、換気設備を設けるなど条件を満たした施設のみ。喫煙者の多そうなイメージのあるパチンコ店では、これまで屋内での喫煙も可能だったが、法改正により、屋内に喫煙専用室を設けるか、屋外に灰皿などを設置するかの選択を迫られる。屋外に灰皿を置く店舗もあるが、多くの店が喫煙室の設置を選択。昨夏頃から捌き切れないほどの発注が押し寄せた内装関連業者は、大忙しだという。
福岡県内のある内装業者は「3月末までに70件以上の喫煙所設置の依頼が来た。駆け込みで今も現場を飛び回っている。1件は300万円程度だが、件数が多いので十分に利益が出る」と特需に笑いが止まらない。喫煙所設置工事だけで、売上は2億円を超えるという。
喫煙場所がなくなるのに合わせ、居酒屋で見かけていたタバコの売り子さんも姿を消すようだ。店内のテーブルを回りながら、喫煙者に新発売のたばこを勧めていた彼女たちも、その場でお客さんに試してもらえなくなることから、出番はなくなるという。