内定者置き去りで臨時休業の整骨院大手「MJG」が破産

従業員への給与未払いや採用内定者の処遇を放置していたとしてトラブルが表面化し、臨時休業していた整骨院大手の「MJG」が今月10日、東京地裁から破産手続開始決定を受けていたことがわかった。債権者約2,300名に対し、負債総額は関連会社と合わせ約47億円に上るとみられている。

破産手続開始決定を受け、破産管財人による通知が同社ホームページで同日掲載された。一部の店舗については、別会社に事業譲渡される旨が掲載されているが、どの店舗がその対象となるかは未定のままだ。債権者の多い大型倒産では、関係者向けに説明会が行われることがあるが、新型コロナウイルス感染拡大に伴う緊急事態宣言を考慮し、説明会などの開催は予定していない。

新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐためと称して、臨時休業したのが3月31日。翌4月1日から福岡市内の複数店舗も閉鎖されている。営業再開は未定としていたが、2週間もたたずに破産に至ったことになる。

同社ホームページに掲載された関連資料によれば、事業の急拡大により投資過剰となっていたなか、行政処分や新型コロナの影響で客足が遠のいたとしている。

2012年の開業からわずか8年で全国に約180もの店舗を構えるまでに拡大。急成長に伴い行ってきた投資が過剰となり、財務体質が悪化した形だ。

そうした中、昨年11月に同社がウェブ上に表示した「やせプログラム」の効果に根拠がないとして、景品表示法違反(優良誤認)として措置命令を受けたことで、金融機関からの新規融資が実行されず資金繰りが悪化。

追い打ちをかけるように新型コロナの影響で来客数が大幅に減少し、売上は低迷する一方となっていた。3月には給与遅配が発生し、運転資金にめどが立たないため破産に至ったという。

従業員、採用内定者、顧客、FCオーナー、一般債権者宛にQ&A方式で今後の対応について説明がなされているが、破産管財人への問い合わせはメールのみ。新たな情報については、同ウェブサイトで更新していくとしている。

 

破産管財人に取材を申し込んだが、出稿までに連絡はなかった。

MJGを巡っては、早い段階で社員の有志が労働組合を結成。会社側と団体交渉を続けていたことが分かっており、組合側への取材を通じて、破産までの過程で何が起きていたのかを詳報する予定だ。

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