町長の椅子をカネで買ったということだ。
福岡県警は18日、今年3月30日に投開票された大任町長選挙で5選を果たした永原譲二氏の親族男性を買収の疑いで逮捕。永原氏の後援会事務所など関係先を家宅捜索した。
ハンターの取材によれば、県警は先月、買収の関係者宅を家宅捜索して関連証拠を押収するなど強制捜査に着手。その後、慎重に捜査を続けていた。
18日早朝、県警は永原町長の親族で買収行為の実行犯だった建設会社「ユウセイ」の代表者・長藤優太容疑者(29)を逮捕。その後、町長選の選挙事務所になった永原町長の支援団体「永原じょうじ後援会事務所」の家宅捜索に入った。
長藤容疑者は、永原町長の父親の元妻が別の男性との間にもうけた娘の子供。永原氏の腹違いの弟・永原譲二郎氏とは叔父・おいの関係になる。同容疑者は、ここ数年永原氏が最も目をかけている建設業者で、個人事業主として創業した2021年(令和3年)からいきなり大任町の発注工事を受注しはじめ、株式会社になった翌年からはさらに大きく実績を伸ばしていた。2021年3月から今年1月までに受注した工事は23件で落札金額計3億3,070万円、平均落札率は96.53%という高率になっている。(*下の表参照)
長藤容疑者の他にも買収に関わった人物が多数いるとされ、永原町長に投票することを条件に「1票1万円」の約束で現金を渡すという手口だった。買収は広範囲で行われていた可能性が高く、大任町長選挙の期間中、ハンターの記者も現場を確認していた。
永原独裁王国に捜査の手が伸びるのは初めて。田川市郡8市町村に激震が走る状況となった。