参議院選挙も中盤。改選議席数の過半数確保を最初からあきらめた自民党・公明党の連立政権が、「50議席」を目標と掲げるなど野党が優勢だ。中でも、急上昇中なのが神谷宗幣参議院議員が率いる参政党。「日本人ファースト」をスローガンに台風の目となっているのだが、調べてみると組織の危うい実態が浮き彫りとなる。
■危うい思想集団
7月5日、6日の両日に行われたあるメディアの情勢調査で参政党は、比例代表で最大6議席、選挙区で立候補者10人中9人が当選圏内という驚くような数字となっている。共同通信の調査によれば、比例投票先で自民党が18.2%、次いで参政党の8.1%だ。国民民主党の6.8%や立憲民主党の6.6%を上回り、野党トップに踊り出た。
選挙区では東京、大阪、愛知で公認候補が当選圏内に入っており、神奈川、福岡、兵庫などでも議席獲得の可能性がある。同党が実施していたクラウドファンディングでは、当初目標の4,500万円を大きく上回る1億6千万円超を集めたという。
現在、参政党の国会議員は神谷氏を含み参議院議員が2人、衆議院議員が3人。政党要件である国会議員5人をギリギリに満たしている。なぜ、参政党にこれほどの支持が集まるのか?神谷氏とは20年近い付き合いがあるという自民党国会議員の元秘書A氏は、次のように解説する。
「神谷氏の政策や主張は極端に右に寄っています。普通なら参政党はそんなに伸びない。しかし、安倍晋三元首相を支持していた右派層が、石破政権を見捨てて参政党に流れる傾向にあります。行き場を失った安倍支持票をうまく取り込んでいる。また、神谷氏は早い時期からYouTubeでの情報発信を手掛けており、ネットを利用したイメージ戦略には抜群のセンスがあります。そこが今の時代にマッチしているんでしょう。イメージ戦略がうまいから、パッと見の政策が良く見えるんでしょう。日本人ファーストというコピーもそうです。しかし中身を見れば、むちゃくちゃな政策ばかりじゃないですか。ただ、神谷氏は『その瞬間、どう有権者を引き付けるか』という考えで動いている。後先のことは考えていないはずです。だから、その場しのぎの言葉が酷くなり、同和団体から攻撃されるなどトラブルになっているのです。ある新興宗教との関係も取り沙汰されています。危うい思想集団ですよ。よく参政党の政策を吟味したほうがいい」
例えば、「終末期延命措置は全額自己負担」という参政党の公約。神谷氏は「終末期、みとられる時も蓄えが必要だと啓発する思いで(公約に)入れた」と述べている。“自己負担できない人には終末期の点滴などやらない”ということだ。なぜ、終末期医療が必要なのかといえば、一時的かもしれないが、高齢者であっても点滴などの効果で病状が回復するからである。参政党の公約は、「カネがない貧乏人は早く死ね」と言っているに等しい。そうした高齢者への歪んだ考えが参議院選挙初日の演説に表面化する。神谷氏曰く――「高齢の女性は子どもを産めない」。価値観の多様化により高齢女性の出産は増加傾向にある。そんな社会情勢から逆行するような暴言だった。興奮のあまり本音が出たということか。
■神谷氏ファミリー企業に多額の政治資金
参政党には、政治資金の問題も指摘されている。東京都港区に本社がある「エドワークス」。そのホームページ(⇒コチラ)には《株主 参政党(100%)》という記載がある。(*下は同社のホームページの画像)

登記簿によれば、社長は神谷氏とともに「竜馬プロジェクト」という政治活動をしていた雑賀日出夫氏。目的欄には《人材の育成、職業適性、能力開発のための教育及びカウンセリング業務 研修・講演会の企画、実施及び運営 オンラインサロンの運営》などとあり、神谷氏も講師として名前が掲載されている。またホームページには《参政党の管理業務》を受注しているとある。
別に、神谷氏の妻が社長になっているイシキカイカク(本社・大阪府)という会社もある。2022年5月に参政党主催の政治資金パーティー「イシキカイカクサミット」が開催されたが、会社の名前を冠して集めたパーティーの収益は2億円とされる。当然、イシキカイカクは会社として手数料などを得たはずで、参政党を“隠れ蓑”に神谷氏側が私腹を肥やしている疑いが否定できない。
総務省に提出された政治資金収支報告書によれば、2023年に参政党からエドワークスへの「講師料」という名目での支出は12件5,110万2,245円、イシキカイカクに対しても映画製作費として326万7,000円が支出されている。22年にはエドワークスに主資金として800万円と講師派遣料467万6,200円が、イシキカイカクには3件の講師派遣料で1,786万8,591円が、会場費名目で1件1,013万9,606円の計2,800万8,197円が支払われている。異常とも思える高額な講師派遣料などが、神谷氏のファミリー企業に流れているのは確かだ。

参政党の支部長だったある人物は「神谷が支配する参政党がエドワークスの100%株主で、同社の研修やオンラインサロンで神谷が講師を務める。そこに参政党がさらに政治資金を流し込む。マネーロンダリングではないかという疑念を持つ党員もいた」とした上で、次のように話している。
「神谷はある一面、新興宗教の教祖のような存在。一方で、ビジネスとして参政党を利用しているところもある。これまで少数政党だったので、むちゃをしてもメディアから追及されることはなかった。しかし、参議院選挙で大きく議席を伸ばす可能性が出てきたことで注目され、神谷のこれまでの行状もばれそうになっている。参政党にかかわると、なぜかマルチ商法のような会社からシャンプーやパンなどが送られてくるとか、いろいろな疑惑もある。今は参政党のプラスの面だけが拡散されているが、これからはマイナス面も知られるようになる。これから先も党勢を保つことができるのか疑問だ」














