【2025参院選】終盤戦展望

参議院選挙の投開票まで今日を含めて5日。「強烈な暴風雨にさらされている」と自民党の幹部が嘆くほど、自民・公明の連立与党は劣勢だ。石破茂首相が目標としていた非改選と合計しての過半数=50議席にギリギリ届くかどうかのせめぎあいが続く。終盤戦に向け、注目選挙区の情勢調査や期日前投票の出口調査などから勝敗の行方をさぐった。

■東京・大阪

東京選挙区は定数6プラス1。7番目の当選者は補選扱いで、当選しても任期は3年となる。自民党の鈴木大地氏、立憲民主党の塩村あやか氏、国民民主党の牛田まゆ氏、共産党の吉良よし子氏、公明党の川村ゆうだい氏、参政党のさや氏の6人が当確圏内。自民党の2議席目を狙う元厚労相の武見敬三氏、れいわの山本譲司氏元衆議院議員、立憲の2番手奥村政佳氏らが最後の議席を争う展開だ。国民民主党から公認内定を取り消され「山尾ショック」で無所属となった山尾志桜里氏と維新の音喜多駿氏は伸び悩む。

「参政党の勢いを象徴するような選挙区が東京。参政党は5月の情勢調査で対象にも入っていなかった。それが7月になって急上昇。すさまじい破壊力だ」(前出の自民党幹部)

大阪選挙区は定数4。維新の佐々木理恵氏、参政党の宮出ちさと氏と2人の女性が上位に入り、自民党の柳本顕元衆議院議員、公明現職の杉武久氏、維新の2人目・岡崎太氏が続く。そのあとを共産党の清水忠史氏、立憲民主党の橋口玲氏が追い上げる。

「維新は直近3回の参議院選挙で2議席をとってきた。しかし今回は1にとどまる可能性もある。参政党の街頭演説を見ていると、すごい人だかり。ひと昔前のうち(維新)とそっくりだが、うちは今やすっかり低調。本来、うちは1人当選なら岡崎氏を参議院に送りたいという感じだった。しかし、かなり厳しい情勢になった」(維新関係者)

■保守地盤の九州に異変

これまで、参院選の1人区は西日本でほぼ自民党が独占、東日本の1人区で野党が巻き返すという図式が続いていた。しかし今回は西日本、特に九州の1人区で野党が複数議席をうかがう。1人区の佐賀では自民党の当選2回、山下雄平氏が立憲民主党の元佐賀市議だった富永あけみ氏と横並びのデッドヒート。長崎では自民公認で3期目を目指す古賀友一郎元経産副大臣氏が、国民民主党の深堀浩氏をわずかに上回る数字となっている。ここでも、参政党の石黒隆太氏が共産党候補をしのぐ12%という数字だ。

宮崎では、自民党の現職で当選2回の長峰誠氏が、立憲民主党の元宮崎市議・山内かなこ氏にリードを許す展開。宮崎といえば、江藤拓前農水相が「コメを買ったことがない」という失言で大臣を更迭されたことが記憶に新しい。

「どこで活動していても、自民党はコメ買わなくて済むねと嫌味を言われます。江藤さんの失言の影響は極めて重く、現場では巻き返せないほど差がついている感がある」(自民党の宮崎県議)

鹿児島では、園田修光氏が2度目の当選を目指す。しかし、自民党の重鎮として参議院議長を経験した尾辻秀久氏の三女・朋美氏が立憲民主党の支援を得て無所属で出馬。尾辻氏が優勢という状況になっている。鹿児島は典型的に保守地盤。そこで園田氏が敗れると、自民党にとっては大きなダメージとなる。

定数3の福岡選挙区は過去、自民党、立憲民主党、公明党の3党が「指定席」を得ていた。与党系2、野党系1という構図だ。自民党は参院幹事長で当選4回の松山政司氏、立憲民主党は当選2回の野田国義氏、公明党は2期目に挑む下野六太氏が上位3人。そこへ参政党の新人中田優子氏が猛追し、下野氏に3%の差まで迫っている。あるメディアの出口調査では松山氏22%、野田氏18%、中田氏15%、下野氏13%という数字もある。組織票があり期日前投票には強い公明党が参政党に後れを取っているというから衝撃だ。

「世論調査、出口調査で優勢な選挙区も、今後の流れ次第でどうなるかわからないところがある。参政党の急上昇で無党派層どう反応するか予測ができないからだ。うち(立憲)が有利という1人区が九州や四国でいくつもあるが、最後まで予断を許さない」(立憲民主党の関係者)

一方、前出の自民党幹部は「現段階では、自民党単独で参議院の過半数となる50議席を得るのは難しいだろう。おそらく40から45議席前後になるとみられている。そうなれば、衆議院に続き参議院でも少数与党となってしまう。どこかの野党を取り込み、協力を得ないと何もできなくなる。石破総理があっさり退陣するのか、それとも解散総選挙に打って出るのかは選挙結果次第。いずれにしても夏休みのない政局になりそうだ」

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