小泉進次郎農相が入札から随意契約に切り替えて一気に放出された備蓄米。1,800円台から2,000円台で流通したため全体の米価も下がるのではないかと期待されていたが、実際にそうなったのは一部のみ。福岡県内にあるスーパーのコメ売り場に並ぶ「銘柄米」は、依然として4,300円を超えるケースが多い。
そもそも、政府が随契で備蓄米を売り渡すにあたって設定した価格はどの程度だったのか?改めて、国の資料から年度ごとの販売実績を確認して1キロ当たりの金額を算出したところ、驚きの結果となった。
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政府は、今年5月26日から業者に備蓄米を売り渡す方法を入札から随意契約に変更した。古古米である2022年産米が60キロで1万1,010円(税別)、古古古米となる21年産が60キロ1万80円(税別)で売り渡されている。両年度分の平均は60キロ当たり1万700円、売り場で主な5キロだと約891円ということになる。
これに流通経費が加わるため店頭での価格は5キロで税込み1,800円~2,000円台前半。備蓄米を含むコメ全体の平均価格は、食品スーパーの店頭で3,000円台になったことが報じられていた。
しかし、前述したように九州のスーパーで販売されている「銘柄米」は、依然として4,000円台。中には5,000円台のものまである(*下の画像)。

では、政府の備蓄米販売価格は適正だったのか?確認するため、改めて検証を試みた。
毎年度ごとに財務省がホームページ上で公表している決算資料には、国内産備蓄米の買入数量及び売却数量、販売総額等が記載されている(例⇒令和5年度の該当ページ)。各年度の国内産備蓄米の販売総額を同年度の売却数量で除すと、販売価格が算出可能だ。そうして2017年度から23年度までの年度ごとの1キロ当たり価格を算出し、まとめたのが下の表である。

10年間の平均は1キロ32.4円、5キロで162円でしかない。政府は、5キロ160円程度の古いコメを、10倍以上の価格で売ったということになる。2,000円台の放出備蓄米を、“ありがたい”と感じた国民が少なからずいたはず。しかし、実際の政府売り渡し価格を知れば、「もっと安くできたのではないか」という疑念が生じる。















