鹿児島では、警察組織だけでなく、そこを適正に管理するはずの公安委員会まで腐っていた。鹿児島県警による不当な取材対応についての異議申し立てに答えようとしない県公安委員会を「県警の追認機関」だとして批判する記事を配信したとたん、同委員会から記事の内容を証明する形となる文書が送られてきた。
参照記事⇒『県警の追認機関「鹿児島県公安委員会」に問われる存在意義|強制性交事件民事訴訟に集まる注目』
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先週25日の配信記事でハンターが追及したのは、県警の追認機関と化した鹿児島県公安委員会の対応。ハンターが鹿児島県医師会の男性職員(22年10月に退職)による強制性交事件に関する文書取材を行った際、県警が合理的な説明をせぬまま回答を拒否したため、警察組織を管理する公安委員会に抗議すると同時に見解を求めていた。しかし、8カ月経っても音沙汰なし。催促したところ、“警察の不当対応を警察に調査させる”として、公平性を欠く方針を示したため厳しく批判していた。
記事配信の翌日、公安委員会から「速達」で送られてきたのが下の「苦情処理結果通知書」である。文書の発出日は7月25日。記事配信の当日である。

要約すると、県警の取材対応に関するハンターの苦情申し立てを受けて“県警に”調査させたが、“県警としてハンターの取材には回答しない”というその判断に問題はないという結論。なぜ県警がハンターだけに取材拒否したのかという疑問に対する具体的な説明は一切ない。調べる気がハナからないのか、あるいは能力がないかのどちらか。いずれにせよブラック組織の言い分を丸呑みした格好だ。8カ月もかけた調査は、まるで子供の遊び。これが「県民の良識を代表」する人たちの仕事だというなら、お粗末過ぎて笑うしかない。
送られてきた通知に関する問い合わせ先は、なぜか「県警本部 公安委員会補佐室」。同委の事務方は県警の職員ということだ。重ねて述べるが、県警の不祥事や不意適切事案の調査に、県警の職員が関与した時点で公平性は失われる。調査自体が「茶番」と言っても過言ではあるまい。そもそも、本部長室の隣に部屋を置いて、県警を管理監督することができるのか?
(中願寺純則)















