総裁選の議論で盛り上がる自民党。小泉進次郎、高市早苗、小林鷹之、茂木敏充の各氏が意欲を燃やし、あわただしい動きを見せている。
一方、参議院選挙で現状維持に終わった野党第一党の立憲民主党は影が薄く、話題にすらのぼらない状況だ。
◆ ◆ ◆
「自民党は党内政局が活発で、いろいろとニュースになる話題がある。しかし、うちには何もネタがなくて、大半が夏休み状態。とても、野党第1党とは思えないよ。参議院選挙は改選数と同数の議席だったが、躍進した国民民主党や参政党を見れば負けたも同然。野田(佳彦)代表ら執行部の責任を問うべきなのに、ほとんど動きがない。この党はダメ」――あきれ顔でそう語るのは、ある立憲民主党の中堅議員だ。
昨年の衆議院選挙と7月の参議院選挙で、いずれも過半数割れし、少数与党となった自民党。国民の民意は、自民党に「NO」を突き付けてたということだ。本来なら、国会開会中に野党を束ねて内閣不信任案を提出すれば、石破茂首相のクビをとることが可能。しかし立憲民主党は、先の通常国会で「トランプ関税」などを理由に内閣不信任案の提出を見送った。
そして今度は8月の臨時国会。野田代表が「比較第一党と比較第二党が、真摯に協議をして結論を得る」と訴えると、石破首相は「第一党と第二党が党首同士で、真摯な議論をすることに大きな意味がある」応じ、「大連立」を想起させるやり取りとなった。自民党のある大臣経験者が苦笑したこう話す。
「2回の国政選挙で負けた石破政権を倒しにいこうしない立憲民主党。石破さんを救援ボートで支えているようなものだ。立憲が、石破政権の延命に協力してくれている。参議院選挙で負けたもの同士が手を組んでいるようにみえるね」
朝日新聞の8月の世論調査によれば、政党支持率は自民党が20%、次いで国民民主党10%、参政党9%と続き、立憲民主党は5%にとどまった。その下は、参議院選挙で比例議席を大きく減らした維新で4%である。立憲は野党第1党だが、国民民主党や参政党の半分ほどしか支持がない。
参議院選挙の告示直後に行われた情勢調査で、立憲民主党の獲得議席は28前後とみられていた。しかし、終わってみれば選挙区15、比例7の22議席となり、かろうじて改選前の議席を守る形となった。比例票で比較すると2024年の衆議院選挙では1,156万票だったが、今回は739万票。400万票以上も減らした。国民民主党が762万票、参政党が742万票。立憲に、野党第一党の面影はない。
自民党は総裁選の前倒しを総裁選選挙管理委員会で検討中。大阪・関西万博の閉幕が10月13日となっており、秋の臨時国会は早くて9月末、遅ければ10月中旬に召集される見通しだ。前出の立憲議員が、手厳しい言葉を連ねる。
「石破さんは時間をかけたいので、ゆったりとした日程にしたいはず。それは、参議院選挙で負け、支持率低迷にあえぐ立憲民主党も同じ。だから、臨時国会で大連立を示唆するようなやり取りを総理と野田さんの間でやった。もともと、野田さんは『石破氏とはいい関係にある』と公言していたほどだから」
臨時国会で野田氏は、「ガソリンの暫定税率の廃止」と同党が提案している1人2万円の「食卓おうえん給付金」を実現しようと持ち掛け、首相は「ガソリンは早急にやりたい。給付金の問題意識は一致している」と答えて蜜月ぶりを示した。だが、立憲の党内では強硬意見が多く「衆参で少数与党となった自民党との連立は絶対にない。それより、うちは参議院選挙で負けている。ならば、野田氏さん以下執行部が責任をとるべき」(反執行部の衆院議員)、「消費減税がトレンドなのに、増税を推進するような野田さんら執行部は早く退陣すべき」(参院議員)といった声が上がる。
お盆があけた8月某日、国会閉会中にもかかわらず、衆議院議員会館には、複数の立憲民主党議員が集まった。部屋から出てきた議員を直撃したが「いつ暑気払いをやるかの打ち合わせだよ」とけむに巻く。しかし、あるベテランの同党議員からは次のような話が聞けた。
「野田代表は参議院選挙で負けた上に支持率低迷でも辞めない。小川淳也幹事長、大串博志選対委員長も知らん顔。財務省と歩調をとり増税路線を進めよとする姿勢は変わらない。増税、減税の論議になると、決まって『財源は他にあるのか』と威圧するばかり。『秋の臨時国会で内閣不信任案を提出すべきだ』と言っても、『今は国難だ』と意味不明なことばかり言ってごまかす。日本は失われた30年と言われるように、ずっと国難なのに、まったくわかっちゃいない。こんな連中には愛想が尽きたってことで、新しい勉強会をやろうかと進めている。新党?勉強会が発展してメンバーが集めればそういうことも視野に入ってくるのではないか」
総裁選前倒し問題で頭の痛い石破首相。「大連立」となれば、自民と立憲が、ともに沈む可能性さえある。















