「辞めるのか、リコールなのか。それとも解散総選挙までいくのか」――そう不安を口にするのは、自民党で石破茂首相を支援してきたある衆議院議員A氏。両院議員総会で「総裁選前倒し」を求めるか否かを決する「要求」の投票が9月8日に行われるが、党内政局は予断を許さない状況だ。大手メディアも大騒ぎだが、国民不在のドタバタ劇にはうんざりさせられる。
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「最初に総裁選の前倒しが大きなニュースになった時は、要求しないという議員が多くて前倒しが成立するとは思えなかった。しかし、党執行部からの厳しい締め付けや、参議院選挙で負けた責任を誰もとらないことで、総裁選前倒しが実現する可能性が高まりつつある」(A議員)
これまでは自民大敗を招いた裏金の旧安倍派や旧茂木派からの「要求」が強かった。しかし、そこに麻生太郎元首相も前倒しに賛同すると表明。現職閣僚である鈴木馨祐法相は自身のブログで《党則に基づく臨時総裁選挙の実施を求める書面に署名し提出することといたしました》《先の参議院選挙において、与党が大敗し、衆議院、参議院の両院で過半数を割ることとなりました。様々な課題が山積する中、政治が停滞することは許されません。自民党への信頼回復のためにも党が一致結束してゼロから出直すことが必要です》と前倒し実施を求める意向であることを明らかにした。
6日夜には石破首相、菅義偉副総裁、小泉進次郎農相が官邸で会談。自発的な辞任を含めた対応策を協議したとみられている。
前出のA氏は、「総裁選の前倒し論が勢いづいている。石破総理は、9月8日になんらかの決断を下すのではないか」と予測する。
総裁選前倒しの「要求」は党所属国会議員295人と都道府県連代表47人の342人の過半数で実現する。ハンターが入手した党本部総裁選挙管理委員会発出の《「党則第6条第4項に基づく総裁選挙実施の要求」について》(*下の画像)という文書には、総裁選の前倒し「要求」をする場合の手順や注意事項が記されている。

《書面は、署名・捺印のうえ、令和7年9月8日(月)10時から16時までの間に、議員本人が本委員会(党本部8階リバティ4号室)に直接、提出することを原則とします》と総裁選前倒しに「賛成」の場合は、病気などやむを得ない場合を除いて、議員本人がが党本部に出向いて決まった時間内に「要求」するよう求めている。
さらに、《提出後の取消しは不可とします》《総裁選挙の実施を要求した方の氏名は公表させていただくことになりますので、予めお含みおき下さい》。総裁選前倒しを要求しない議員については《書面の提出は不要です》となっている。
ある旧安部派の議員が、自分たちの悪行を棚に上げてこう話す。
「明日、党本部に行った議員は、みんな総裁選の前倒しの要求をしたということになる。朝10時から議員の数を数えると、前倒しになるかどうかが簡単にわかる。都道府県連は、その前に会合を開いて意思表明をマスコミに公表するでしょうから票読みは簡単。8日は朝から党本部に行って『要求』にサインをするつもりだ」
大手メディアの記者たちによると、8日朝からの「招集」がかかっており、党本部前でやってきた議員をチェックし、「速報」を打つ準備が着々と進行しているという。
「10時から15時という限られた時間帯。前倒しを要求した場合は、はっきり名前が分かる。この上から目線のやり方に反発が強まり、要求に走る議員が多くなっている。そうなると、総理は追い込まれる。要求が過半数に達するとみた場合、退陣か解散総選挙かについて、結果が出る前に表明することもあり得る。総裁選前倒しになって、石破さんが再選を目指すにしても、党内基盤が弱くて推薦人20人を集めるのはまず無理。もし集まっても勝てないだろう。それなら、先手を打って、退陣するか解散総選挙という方針を出した方が延命できる。総理自身も『まだやらねばならぬことが山のようにある。ここで引き下がることはできない』と周囲に語っているんだから」(前出のA議員)
まさに明日8日は天王山。どんな結末となるのかわからないが、国民不在であることだけは確かだ。















