石丸氏の福岡移住に冷ややかな県政界

「今は滋賀県民ですが、福岡県民になります」とYouTube番組で話したのは、一昨年の東京都知事選で旋風を巻きおこした広島県安芸高田市の前市長石丸伸二氏。福岡で、その発言が波紋を広げている。

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石丸氏は、YouTube番組の「九州支局長」に就任し、そこから発信するように依頼があったことから、福岡県への「移住」を決めたという。

安芸高田市長時代にはYouTubeなどSNSを駆使して人口2万5千人あまりの山間の小さな都市の知名度を大きくアップさせ、それをテコに、昨年7月の東京都知事選で、小池百合子知事に大差で敗れるも立憲民主党、共産党が推す蓮舫氏を上回る2位に入った。その勢いをかって、今年夏の東京都議選に「再生の道」として候補者を42人、参院選には10人を擁立したが惨敗。当選者はゼロという結果に終わった。

同氏の「福岡移住」に即座に反応したのが福岡政界。来年11月に、福岡市長選が予定されているからだ。福岡県選出の現職衆議院議員はこう話す。

「石丸氏が福岡に移住したとすれば、当然、福岡市長選を狙っているのだろうと誰でも思いますよ」

現在の高島宗一郎市長は、地元テレビ局のアナウンサーから転身し4期目。まだ次期市長選への進退は明確にしていない。

一方、石丸氏は移住先が福岡県というだけではなく「もっと細かく言うと福岡市民です」と明かしており、市長選狙いとの見方は強まるばかり。SNS上に残る石丸氏と高島氏の動画が、噂に真実味を持たせている。

その動画とは、安芸高田市の名物「安芸高田焼き」をPRした時のもので(*下の画像)、再生数は37万回を超えていた。

また、石丸氏が東京都知事選に出馬した際も、高島市長はYouTube番組で「地方の市がメディアにとりあげられることはまずない。あれだけローカルメディアに対してケンカ売るなんてできない。石丸氏は役割をよくわかっている」と評価していた。

以前から、国政転出が囁かれている高島氏。自民党の“重鎮”麻生太郎副総裁と近く、日本維新の会とのパイプもある。前出の国会議員は「高島市長は、衆議院か参議院に出るのではないかとずっと言われ続けてきた。その場合は本命が自民党、大穴が維新」と予想する。

少数与党となって厳しい政治情勢が続く現在、自民党にとっての最重要課題は次の総選挙における議席の大幅増だ。各種世論調査によれば、高市早苗首相への支持は高いが、自民党への支持は横ばいかやや上向き程度。ある自民党議員は次のように語る。

「高市総理は女性だが、勝負勘がある人。解散総選挙は十分にあると思っている。高島市長が自民党から出馬となれば注目が集まり、まさに選挙の顔となる。そこに、福岡市長選をダブルでぶつけるとさらに盛り上がる。まあ、市長選の候補者次第だが……」

では、国政に転出する高島市長が、付き合いのある石丸氏を“後継指名”する可能性はあるのか?

福岡市を大きく発展させたことで実績十分の高島氏が国政転身となれば、どこの選挙区から出ても勝利することは確実。しかし、“後継・石丸”では期待値ゼロになるとみる県政界関係者がほとんどだ。

「石丸さんが何をしようが、県内の自民党も野党も相手にしないでしょう。福岡と関係があるとは思えないし、現在はただのユーチューバーという程度の存在。賞味期限はとっくに切れている。福岡市長なんで無理ムリ」(県政界関係者)

別の福岡県議は、笑いながらこう話している。

「石丸氏のことがウワサになっているが、我々はまったく眼中にない。SNS使って勝手に有権者を煽っているだけでしょう。地下鉄延伸などの計画を打ち出し始めた高島市長は、5期目もやるはず。それでも石丸氏が出馬すれば、ぼろ負けの道しか残されていない。ネット上でもてはやされた後、下降線をたどり、次の居場所を福岡にしたのだろうが、九州は甘くない。そもそも、彼が関係した選挙は、東京都知事選も都議選も、そして参議院選も全敗している」

 

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