衆議院議員の任期切れまであと約6か月。いつ解散総選挙になってもおかしくない時期にきているが、与党・自民党で候補者調整に手間取っている選挙区がいくつかある。
最大の注目区は山口3区。現職は幹事長派閥である二階派の重鎮・河村健夫元官房長官だが、元文科相の林芳正参院議員が鞍替えを目指して住民票を同区内に移すなど、自民分裂の可能性が高まっている。
福岡県にも大臣経験者に挑戦状を叩きつけた県会議員がおり、こちらも分裂必至。その県会議員が2月、「福岡5区」の関係者などに『私の決意』と題する一文を記した葉書を発送していた。
挑戦状ともいえる「私の決意」を発送したのは、自民党県議団所属で議長も経験している栗原渉県議(55)。福岡5区の現職は当選8回のベテラン原田義昭元環境相(76)だが、党本部の調整にも応じようとしない栗原氏は無所属でも出馬する構えだ。
保守分裂は確実な情勢となっているが、5区で最大の集票力を誇るといわれる福岡県農政連は先月、栗原氏の推薦を決めている。「私の決意」は、揺るぎそうにない。