ここまできた鹿児島・三反園県政の腐敗(下)「会見」否定で嘘と隠蔽 

平気で嘘をつく役所の、どこを信じろというのか――。新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため発令された政府の緊急事態宣言を受け鹿児島県が配信した三反園訓知事のメッセージ動画を巡り、県健康増進課が記者団と知事の質疑部分を割愛したあげく、その問題を取材したハンターの記者に「記者会見ではなかった」と虚偽の説明をしたことが分かった。県民向けのパフォーマンスにこだわる現職知事から指示を受けたか、役人側が忖度したかのどちらかだが、嘘や隠蔽は露見するもの。県側が最後までこだわった「会見ではない」という主張を、粉々に打ち砕く多くの証拠が残されている。

■意味不明の「会見」否定理由

安倍政権の緊急事態宣言を受けて、4月16日、20日の両日に三反園知事が県民に向け発信したメッセージ動画から、記者団との質疑の模様が割愛されていた。特に16日の動画には、報道関係者の後ろ姿が映っている上、知事がメッセージを読み上げた後に「私からは以上です」と記者からの質問を促す発言をしており、質疑が行われたとみるのが普通だ。記者団とのやり取りは、意図的に削除されているとしか思えない。(参照記事⇒「腐敗した鹿児島県 新型コロナ知事会見の動画から記者団とのやり取り削除(上)」

理由を訊ねたハンターの記者に「会見ではなかった」と断言する県健康増進課。“どうやって記者を集めたのか?”、“記者クラブに案内の文書を発出していないか?”と追及された県職員は、答えに窮して「折り返しさせていただいてよろしいでしょうか?」と言い出した。数時間後、折り返してきた職員は訳の分からない話をはじめる。

職員:先ほどの話で、記者会見ではないと申し上げたのは、私の言葉足らずでございまして、申し訳ありませんでした。

――会見だったと認める?
職員:いえ。広く県政一般についてお聞きする知事の定例会見と違って、今回、知事のメッセージをお出ししたので県民の皆さんに広く周知をさせたいと思いまして、マスコミの方々に案内をして、で、そのメッセージをホームページに載せるとともに、マスコミの方々にも広く周知していただきたいという主旨で案内したので、それを載せたことには尽きるんですけども、はい、実際のところは……。

「申し訳ない」と詫びの言葉を口にしながら、会見であることを認めず、話をすり替えるという姑息な姿勢だ。日本語も乱れがちで、小役人の悪知恵と笑うしかなかった。

■公表文書を「開示請求しろ」

このあと、マスコミに流したという「案内」とやらを要求したところ、またしても「折り返しさせていただいてよろしいでしょうか?」。協議に時間をかけたあげくの回答が、こうだ。

職員:開示請求の手続きをとった形でご対応をお願いしたい

多くの報道機関に送った案内文書を、「情報公開請求」しろという。役所の隠蔽としては、かなり悪質と言えるだろう。理由を聞いたところ、

職員:報道機関に流した情報を、他の方が知られる話になると思うので、報道機関さんに出したものを、ということなるので……

ついに意味不明となった。

■報道された「記者会見」の証拠

県側が言う「案内」は、県民の知る権利を守るために設置されている「記者クラブ」に加盟する複数の報道機関の記者に対して発出されたものだ。ならば、公表済みの文書であり、情報公開請求の対象であるはずがない。嘘が完全にばれるまでの時間を稼ごうという魂胆がミエミエである。

ちなみに、4月16日の知事会見について地元紙「南日本新聞」は、17日朝刊の記事でこう伝えている。
《新型コロナウイルス感染増加で緊急事態宣言の対象地域が全国に拡大された16日夜、鹿児島県の三反園訓知事は会見を開き、5月の大型連休明けまで県民に県境をまたぐ移動を絶対に避けるよう要請するとともに、不要不急の外出自粛を強く求めた。学校を再び休校にする意向も示した。》

次が同日の朝日新聞朝刊。
《新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、緊急事態宣言の対象が全国に拡大された16日夜、三反園訓知事は記者会見で、感染確認が他地域より少ない「鹿児島の現状」を強調した上で、当面の対応について語った。今月再開した学校については22日からの休校の要請をする方針を17日の会見で示した。》

最後は、KTS鹿児島テレビの17日のニュース原稿。
《三反園知事は5月6日までの緊急事態宣言が全国に拡大したことを受け、16日夜、会見を開きました。》

いずれの記事も、16日の三反園知事の情報発信を「会見」と認識していた証拠だ。それでも「会見」を認めようとせず、記者クラブあてに発出した公表文書も隠そうとする鹿児島県庁――。ハンターは5月1日、県側に対し正式に抗議し、改めて報道機関あての案内文書を開示するよう求めたが、同日中に返答はなかった。

証言もある。複数の関係者によれば、4月16日に三反園知事が県民に向けたメッセージを発した際の記者クラブ「青潮会」あての案内文書に記されていたのは「記者会見を開催します」とという文言。その下には『記者会見』として、日時や場所が記されていたという。鹿児島県庁は、「嘘つきは泥棒のはじまり」とことわざを知っているのだろうか。

 



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