腐敗した鹿児島県 新型コロナ知事会見の動画から記者団とのやり取り削除(上)取材には「会見ではない」と虚偽説明

新型コロナウイルスの感染拡大に伴う政府の緊急事態宣言を受けて三反園訓知事が県民への動画メッセージを公表した際、記者団と質疑を交わしながら、県が公式ホームページからその場面を省いていたことが判明。さらに担当課が、問題を追及したハンターの記者に虚偽の説明を行い、事実関係の隠蔽を図っていたことも明らかとなった。

7月の鹿児島県知事選挙を睨んで知事にとって都合の悪い場面だけ隠した格好だが、この問題を巡って県の担当課である健康増進課が繰り返した説明は、極めて悪質な“嘘”。同課は、虚偽説明が露見した後も反省せず、いったん記者クラブに公表した関係文書まで隠蔽する姿勢を見せている。

嘘、ごまかし、でっち上げは知事に限っての愚行かと思っていたが、鹿児島県は県庁組織そのものが腐敗し始めている。

■動画から消えた知事と記者団の質疑

問題の動画は4月16日、20日の両日に三反園知事が行った「緊急事態宣言を受けての県民への知事メッセージ」と「緊急事態宣言を受けた本県の対応に関する県民の皆さまへの知事メッセージ」を、県職員が録画してネット上で公開したものだ。

このうち16日の会見の画像を見ると、画面手前に人の頭が映っているのが分かる。知事の方を向いて座っているのは、知事のメッセージを記事にするため集まった報道機関の記者たちである。当然、三反園知事と記者たちの間で質疑が行われたはずだが、16日の動画にも20日の動画にも、その場面は出てこない。

新型コロナに関して自治体の首長が会見を行い、役所がその様子を動画で流す場合は、必ずといっていいほど記者団との質疑まで入れている。鹿児島県では、どうして記者団とのやり取りが割愛されているのか――?

鹿児島県の広報課に確認を求めたところ、回答してきたのはなぜか健康増進課。新型コロナの件は、動画配信も同課の所管だという。担当職員の話は、こうだった。

「4月16日の20日の動画につきましては、県民の皆様への知事のメッセージについてマスコミの皆様に取材の案内をしたものでございます。で、記者会見ではないものですから、取材の中での記者とのやり取りは、ホームページには掲載していないところでございます」

報道機関の記者を集めてやり取りをしておいて、「記者会見ではない」とはよく言えたものだ。ここから、県側の回答に納得できない記者と担当職員との問答が始まった。

――新型コロナに関する他の自治体の首長の情報発信では、記者との質疑応答もオープンにしている。知事と記者とのやり取りを削除するのは、絶対におかしい。
職員今回のは、記者会見ではなくて、あくまでも県で収録した県民に伝えたい知事メッセージを掲載させていただいたということで、記者会見とは違うということです。

――一方的に三反園さんがしゃべって終わりだったということか?そんなはずはない。質疑の内容が報道されていたと思うが?
職員:会見というのであれば、そういうやり取りがあると思うのですが、あくまでもこちらとしては県民の皆様へのメッセージを載せただけですから。

――しかし、画面に記者とおぼしき人たちの後ろ姿が映っている。どう見ても会見だろう。
職員会見ではありませんから

「会見ではない」と言い張る県の職員――。別の取材に入っていた記者は、いったん話を打ち切り、時間をおいて再度質問を続けた。

――さっき会見ではないと断言したが、間違いないか?
職員:はい。会見ではないということです

――それでは改めて聞くが、報道関係者を集めた際、会見を開くと伝えていないか?
職員記者会見ということは、言っていないです

――言っていない?では、どうやって記者を集めたのか?記者クラブあてに、何らかの文書を発出しないと、記者は集まらないはずだが。
職員:えーっと、そうですね。県民が……、あの…‥‥。

――おたくの課が発出した文書についての情報公開請求をかけるが、本当に“会見ではない”ということで良いか?
職員:えっと、すいません、ちょっと、折り返しさせていただいてよろしいでしょうか?

都合が悪くなるといったん逃げて言い訳を探すというのは、まさに県政トップである三反園氏の手法と同じ。慌てて記者とのやり取りを打ち切った時点で、県側の「クロ」は歴然となっている。数時間後、「会見ではない」と言い張っていた健康増進課の主張が、微妙に変わる。

(つづく)

 



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