江差看護学院パワハラ教員、年度末まで異動なし|保護者らが疑う「先延ばし」

北海道立高等看護学院のパワーハラスメント問題で、第三者によりパワハラ関与が認定された江差看護学院の教員たちが本年度いっぱい教職に留まり続けることがわかった。1月中旬の議会答弁で道の担当課があきらかにしたもので、すでに管内保健所に配置換えとなった教員5人は次年度の定期異動まで学院に籍を置き続けることになる見込みだ。

■弱腰道庁に守られるパワハラ教員

道の答弁があったのは、1月12日の道議会保健福祉委員会。筆者は当日の傍聴を果たせていないが、事後の取材によると同委の平出陽子道議(民主・函館市)がこれまで同様、パワハラ問題で質問に臨んだ。

最初の質問では12月に公表された教員人事が追及の的となり、2人体制となった副学院長の役割分担について、新副学院長が「事務担当」として着任したことから「事務担当は教務には口出しできないことになり、新設の意味がないのでは」と疑問が呈された。答弁に立った道はこれに「権限の分散と牽制体制確立のため事務職の副学院長を設置した」と経緯を説明し、「ハラスメントの相談窓口を新たな(事務担当の)副学院長とした」と、2人体制の意義を強調した。

次いで、保健所勤務となった5人の教員の異動先について「早急に決めるべき」「見通しはついているのか」と質問が上がると、道は次のように答弁した。
「(5人は)学院運営の意思決定には携わらない範囲で学院の業務に従事することとしている。これらの教員については、来年度の定期人事異動に向け、江差高看以外の職場を前提に調整を進めている」

要は「来年度の定期異動」までは教員に留め置くという方針。配置換えとなった教員が本年度いっぱい異動しないとの明言があった以上、配置換えを免がれたパワハラ関与教員(少なくとも2人)についても同様の扱いとなることが見込まれる。被害学生の保護者からは「残留を認めるわけにはいかない」との声が聴こえてくるが、道は昨年末の時点で被害対応窓口を弁護士に一本化しており、学生や保護者の思いが教員人事に反映される可能性はほとんどなさそうだ。議会ではこの弁護士対応についても質問があり、道はこれに「救済のご意向に法的な判断を要する内容が含まれているため、弁護士を窓口とさせていただいた」と答えている。

江差の学院では24日に冬休みが明け、新学期が始まる。復学を希望する休学生の中には、加害教員が在籍する限りは学校に戻れないと訴える人もいるが、こうした訴えの深刻さを道がどの程度認識しているのかは定かでない。2022年が明けてからすでに2週間あまりが過ぎ、この間とくに被害救済などで具体的な進展が見られていないことから、被害学生の保護者らは「『法的な判断』以前にパワハラはとっくに認められたはず」「弁護士委任は『丸投げ』だったのか」「年度が替わるまですべて先延ばしか」と疑い始めているところだ。

(小笠原淳)

【小笠原 淳 (おがさわら・じゅん)】
ライター。1968年11月生まれ。99年「札幌タイムス」記者。2005年から月刊誌「北方ジャーナル」を中心に執筆。著書に、地元・北海道警察の未発表不祥事を掘り起こした『見えない不祥事――北海道の警察官は、ひき逃げしてもクビにならない』(リーダーズノート出版)がある。札幌市在住。

 

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