北海道警察札幌西警察署は19日、読売新聞北海道支社の女性記者(24)=札幌市中央区=を窃盗の疑いで現行犯逮捕、発表した。
道警によれば同記者は18日午後8時55分ごろ、自宅にほど近いスーパーの中にある書店でマンガ1冊(880円相当)を万引きしたとされる。
被害に遭った書店によると、同店では以前にも同記者とよく似た人物に本を盗まれる被害があった。事件当時は防犯カメラなどで警戒を強めているところだったという。
「普段はほとんど万引きに遭うことはなく、店としては珍しい事態でした。事件当日は窃盗の瞬間をカメラで確認できたため、従業員が追いかけて店の外で取り押さえた。被害は大きくはありませんでしたが、犯人が捕まったのは一安心です」(同店管理本部)
地元の報道関係者によれば、逮捕された記者は警察取材担当。4月下旬に発生した知床観光船沈没事故の取材などに携わっており、読売のニュースサイトでは現在も複数の署名記事を確認できる。先の書店関係者が証言する通り、同記者には同種の余罪があるとみられており、道警は記者の自宅を家宅捜索したという。「精神的な理由で窃盗を繰り返していた可能性が高い」との声もある。
読売新聞では5月末、横浜支局の男性記者による強制性交等未遂事件が報じられたばかり。相継ぐ現職記者の不祥事を受け、同グループ本社広報部は20日、窃盗事件を伝える自紙北海道版の紙面で「社員が逮捕されたことを重く受け止めます。事実を確認して適切に対応します」とコメントしている。社内処分などについては、現時点であきらかにしていない。
なお、当該記者は21日午前に再逮捕されたことが伝わっている。先の知床観光船事故のさなかの4月28日夜、現地の斜里町のコンビニエンスストアで食料品9点(2,657円相当)を盗んだ疑い。
(小笠原淳)
【小笠原 淳 (おがさわら・じゅん)】 ライター。1968年11月生まれ。99年「札幌タイムス」記者。2005年から月刊誌「北方ジャーナル」を中心に執筆。著書に、地元・北海道警察の未発表不祥事を掘り起こした『見えない不祥事――北海道の警察官は、ひき逃げしてもクビにならない』(リーダーズノート出版)がある。札幌市在住。 |