検察当局、買収で河井克之・案里両氏を立件へ|注目される“党本部へのガサ”

昨年7月の参院選で、地元の地方議員や後援者に買収目的でカネをばらまいたとされる河井克行衆院議員と妻の河井案里参院議員に対する、広島地検と東京地検特捜部による公職選挙法違反容疑の捜査が大詰めを迎えている。

■国会閉会後に逮捕の可能性

ある捜査関係者は、声を潜めてこう話す。
「今週、東京地検特捜部から応援に来ている検事数人が東京に戻っている。事件の方針などを協議する見込みだ」

事実、先週、取調べを受けているある地方議員も「担当検事が『今週は東京に戻ります。6月20日過ぎにまた事情を聞かせてくれ』と言っていました。そこで『その頃は(河井夫婦が)逮捕されているのじゃけぇ、大丈夫か』と尋ねたら『そうですよね』と顔をひきつらせて笑っていた。正直な検事さんですよ」と話す。

検察が着手するとみられているのは、今月17日とされる国会の会期終了後。会期中の逮捕許諾請求はない模様だ。

■現実味を帯びる“党本部へのガサ”

「だが……」と、前置きして自民党の幹部が打ち明ける。
「逮捕許諾請求がないからと言っても、河井夫婦が捕まるとなれば安倍政権には大きな打撃だ。だが、それ以上に怖いのが河井夫婦に渡った、選挙資金1億5千万円の捜査だ」

昨年7月の参院選では、案里氏の選挙資金として自民党側から河井陣営に1億5千万円が渡っていることがわかっている。河井夫婦がばらまいた2,000万円以上ともいわれるカネが、その中から支出されていたのではないかと検察側は見ている。そこで、検察側は河井夫婦やカネを受け取った地方議員、後援者の携帯電話の履歴、位置情報などをもとに自民党本部の関与の有無を捜査しているのだ。

「ばらまかれたカネの行方を追うのは、当然のことだ。自民党本部の職員、複数にはすでに事情を聞いている」(捜査関係者)
その中には“選挙の神様”とあがめられたベテラン職員や著名な選挙プランナーも含まれているのではないかと永田町では囁かれている。

検察側から事情を聞かれたとみられる職員に電話するが、まったくつながらない。河井夫婦の公職選挙法違反事件では、事情を聞かれた大半の関係者が、携帯電話の任意提出をすぐに求められているという。

ある自民党本部の職員は「事情を聞かれて、携帯電話をとられちゃったという人が何人もいます。『携帯電話がないと仕事にならない』とぼやいている人もいた」という。

「もう河井夫婦はあきらめムードだ。候補者とその夫、自らがカネまいていれば、捕まってもしょうがない。官邸も、河井夫婦が捕まるのは想定済み。怖いのが、自民党本部へのガサ、捜索だ。すでに党本部の職員が事情を聞かれている。もう官邸の守り神、東京高検検事長だった、黒川弘務氏もいなくなり頼れるところがない」と自民党の幹部。

カウントダウンを迎えつつある河井夫婦へのXデー。そこに、自民党本部へガサという大きな山が加われば、安倍政権はさらなる苦境に立たされる見込みだ。

(山本吉文)



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