不祥事のデパート「日本維新の会」のお寒い現状

2021年の衆議院選挙と昨年の参議院選挙、そして今年の統一地方選と躍進してきた日本維新の会だが、議席増と比例するように違法行為やスキャンダルを量産し、「不祥事のデパート」と呼ばれるようになった。

■問題続出の地方政治家

今年5月、大阪府の笹川理府議が、同じ維新の宮脇希大阪市議へのセクハラ、パワハラで大阪維新の会を離党を。宮脇市議が大阪府警に被害届を出したこともあり、維新は6月、党内におけるハラスメント調査を開始した。

大阪維新の会の幹事長でもある大阪市の横山英幸市長は、「(ハラスメントについて)14件の申し出があった。これは非常に重く受け止め、事案を確認して寄り添って、一刻も早く関係者が全員、納得できる風通しのいい組織にしたい」と発言。しかし、横山市長は10月になっても調査結果を公表せず、「今月内には調査結果の公表を目指す」と言いながら何らアクションを起こさず、師走になった現在もだんまりを決め込んでいる。維新の大阪市議が、次のように党内事情を語る。
「5月に笹川氏のセクハラで火がついて、パワハラも含めて大きな問題になりました。6月に申告が14件あってから半年。結論が出ていないのは、万博の建設費増加などで、維新の支持が低迷していることも理由でしょう。幹部と話すと『身を切る改革がキャッチなのでスルーはできない。けど公表したらまた支持が下がってしまう』と苦しい胸の内を漏らしていました」

そうした中、奈良県警が、町内会費を800万円も使い込んだ疑いで奈良県斑鳩町の維新所属町議を逮捕。兵庫県尼崎市の光本圭佑市議は、維新の政務活動費210万円あまりを使い込み、業務上横領などの容疑で兵庫県警に書類送検された。維新は光本氏を除名処分にしたものの、尼崎市議会で2度にわたって辞職勧告決議された同氏は、今も市議の座にしがみついている。

首長の質も低い。大阪府枚方市の伏見隆市長は、今年9月の市長選後に「祝勝会」に参加。事後買収防止のため当選祝賀会は禁じられており、市長が公職選挙法違反で刑事告発されている。

■国会議員も低レベル

国会議員も問題児ばかりだ。維新の衆議院議員だった前川清成氏は、2021年の総選挙公示前、奈良1区の有権者に投票を呼びかける文書を送付したとして公選法違反の罪に問われ、罰金30万円の有罪判決が確定して議員辞職した。

梅村みずほ参議院議員は、自身の政治団体「梅村みずほ後援会」が2020年と22年に同党の国会議員団から3回にわたって寄付金300万円を受領しながら、政治資金収支報告書に記載していなかった。20年分の2回分については収支報告書を訂正したが、先月公表された2022年でまたも記載を怠っていたことが分かっている。

「身を切る改革」が言葉だけであることを証明したのが大阪10区の池下卓衆議院議員。同氏は、選挙区である高槻市の市議2人を公設秘書に採用。秘書と市議の兼職で給与を「二重取り」させていた。さらに父親所有の実家を後援会事務所にしながら、家賃の無償提供を政治資金収支報告書に記載せず、2021年の報告書では43万円の寄附が不記載となっていたことも判明している。

池下氏の選挙公報などで経歴をチェックすると、国会議員になる前の職業は「税理士」。開いた口が塞がらないとはこのことだ。維新に所属する別の高槻市議が、こっそり耳打ちしてくれた。
「問題となった池下氏の2人の秘書は、兼職届も出していなかった上に、秘書の名刺さえないという酷い状況でした。高槻市議だった甲斐隆志さんは現在も公設秘書で、秘書と市議で二重取りした給与は2,000万円以上になります。身を切る改革どころか『身内に甘い維新』と叱責される毎日です。池下さんは、衆議院議員になってすっかりテング状態。上から目線でまったく反省もなく、困ったものです」

■歴代知事のボディーガードはハラスメント

議員バッジはつけていないが、一連の不祥事を象徴するような人物とみられているのが、吉村洋文知事や橋下徹氏の「ボディーガード」だったことで知られる高石康氏。身長190cm越え、スキンヘッドで「入道」とも呼ばれていた彼が、幹事長を務めていた大阪維新の会交野支部で、女性府議にパワハラを行っていたことを週刊誌が暴露した。記者会見の現場でカメラマンと口論やけんかになるなど粗暴な振る舞いで知られていた裏の人物が、一躍注目を集めることとなった。

「サウナ市長」として有名になり、市長を辞職した大阪府池田市の富田裕樹氏(既報)の後任を選ぶ市長選で、維新が候補者を擁立。その街頭演説でトラブっていたのが高石氏だ。もともと富田元市長は、維新が擁立した人物。そこに疑問を抱いて声を上げた有権者に、食って掛かっていたのだ(下の写真)。当時はコロナ禍でマスク着用、ソーシャルディスタンスが必須だった。

上の写真のように有権者に顔を近づけ話す高石氏の行為は、「恫喝」にしか見えない。前出の維大阪市議はこう話す。
「高石さんは維新創設のころから橋下さんや幹部と親しく、その威光を笠に着てパワハラを繰り返す要注意人物とされていました。週刊誌に記事が出て手を叩いて喜んでいた府議や市議は少なくありません。しかし、今もパワハラの調査結果は未公表。吉村知事らが庇っているのではないかと噂になっています。高石さんの本業はパン屋さん。ある維新の国会議員とともに高級パンの会社を共同でやっているとの情報もあり、高石さんには処分が出せないとの見方をする人もいます」

週刊誌の記事が出て以降、「ボディーガード」として吉村知事の横に姿を見せることはなくなったという高石氏。しかし、9月末に開催された維新の国会議員の集会で、高石氏が馬場伸幸代表や藤田文武幹事長と談笑していた時の写真が存在した(下の写真)。

「もう2度と現れないと思っていた高石さんが来たのでびっくりでした。態度は相変わらずで、パワハラの反省など全くなさそうに感じました。その証拠に、この日の集会に参加していたある大阪府内の首長を、高石さんは見下すように『あいつよく来れたもんやな』とこき下ろしていました。どの口が言っているのか……」(前出の大阪市議)

11月、長崎県で初の議席を獲得していた維新の地方議員3人が、組織内部のパワハラを理由に離党した。吉村知事は「離党は防がなければならない。それぞれの地域の維新でしっかりマネジメントしていかなければならない。パワハラというのでしっかり受け止めなければならない」と他人事のように語るばかり。万博の開催危機が叫ばれる中、維新のお粗末さは救いようがない。

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