福岡県大任町が発注工事の実態を隠蔽|背景に「町長独裁」

福岡県大任町(永原譲二町長)が、ハンターの情報公開請求に対し、大型公共事業の施工体系図や工事の実施体制を記した文書の開示を拒否。町長独裁の弊害が指摘される同町の行政が、大きく歪んでいる実態をさらけ出した。

役所が公共工事に関することで「隠蔽」に走る場合、裏にあるのは“行政と業者の癒着”というのがお決まりのパターンだが……。

■施工実態を隠す異常な町政

ハンターが開示請求していたのは、「大任町ゴミ処理施設整備工事」(契約金額220億円)と「汚泥再生処理センター整備工事」(契約金額89億8,560万円)の業者選定に関する文書。業者が提出した「施工体系図」も開示するよう求めたが、体系図は2件とも非開示だった。

理由を聞いたところ、ごみ処理施設の工事については「着工前で体系図を受け取っていない」(町総務企画財政課)、すでに終了した汚泥再生処理センターの工事では「体系図を受け取っていなかった」(同)という回答。つまり「ない」ということだ。

施工体系図がないという主張は、大任町が杜撰な施工を容認している証左だ。「建設業法」は、一定額以上の事業費がかかる工事について、工事施工を請け負う全ての下請・孫請の業者名・各業者の施工範囲・各業者の技術者氏名などを記載した「施工体制台帳」と、作成された施工体制台帳に基づき、各下請負人の施工分担関係がひと目で分かるようにした「施工体系図」の作成を義務付けている。

さらに「公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律」は、“作成した施工体制台帳の写しを発注者に提出しなければならない”と規定する。発注者である大任町が、施工体制台帳とセットになる施工体系図を保有していないはずはない。

施工体系図は、誰でも見ることができるように工事現場の見やすい場所に掲示するのが決まり。業者には10年間保存することが義務付けられており、発注者が要求すればすぐに入手可能だ。また、体系図は公表済みの文書であることから、非開示にする理由もない。どこの自治体でも無条件に開示するのが当たり前の資料を大任町が「ない」と言い張る理由は、下請体制に潜む都合の悪い事実を隠すために他なるまい。

ちなみに、ハンターは、大任町における公共工事の受注状況を確認するため、平成29年度から本年度までに同町が発注した公共工事の入札結果表も開示請求したが、これも非開示。入札結果の公表も法が義務付けたもので、同町の行為は違法となる。町発注工事をどの業者が施工したのか、まったく分からないという異常な状況である。

■「町長独裁」

「大任町ゴミ処理施設整備工事」と「汚泥再生処理センター整備工事」は、プロポーザル方式で業者選定が行われた。この際、町はプロポーザルに参加する業者に企業体(JV)の代表、構成員、協力会社などの役割などについて図で示す「工事実施体制」(*下の文書)の提出を求めていたが、これも非開示となっている。

入札結果や施工体系に関するすべての開示請求に対し、町は《公にすると、人の生命、健康、生活、財産または社会的な地位の保護、犯罪の予防、犯罪の捜査その他公共の安全と秩序の維持に支障を及ぼすおそれがある》という同じ理由で非開示にしてきた。

しかし、入札結果や工事現場に掲示している施工体系図を開示することで、「人の生命、健康、生活、財産または社会的な地位」に支障を及ぼすとは思えない。もちろん、「犯罪の予防、犯罪の捜査その他公共の安全と秩序の維持」にも関係はない。合理性のない理由をつけて違法行為を正当化しようとする大任町の町長は、福岡県町村会の会長で全国町村会の会長代行も務める永原譲二氏。同町の関係者によれば、一連の情報非開示方針を指示しているのは、町長本人なのだという。事実だとすれば、永原氏に町長を務める資格はない。ましてや、町村会の会長などもってのほかだろう。

町の内外で独裁の弊害が指摘される永原氏が隠蔽に走ったのは何故か――これからの配信記事でその謎を解きあかしていく。

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