やっぱり鹿児島2区|顕在化する三反園前鹿児島県知事出馬への動き

7月の鹿児島県知事選挙で落選した三反園訓氏(62)が、噂される衆議院鹿児島2区での出馬に向けて、動きを加速させている。

■鹿児島2区で看板増設し印刷物配布

自民、公明の推薦を得ながら再選に失敗した三反園氏は、選挙後、鹿児島市を中心に朝立ちを繰り返してきた。朝立ちと言ってもマイクを握って街頭演説を行うわけではなく、ただ車に向かって手を振るだけだ。県民には意図が伝わらず、「三反園さんは何をやっているのだろうか?」、「鹿児島市長選に出るのか、総選挙狙いかのどちらかではないのか」などと、訝る声が上がる状況だった。

側近には「政治の世界で生きる」と明言していたが、ここに来て衆議院鹿児島2区での活動に、的を絞ったことが分かった。

下の写真は、現在、三反園陣営が使用している看板。赤い囲みと矢印で示したのは証票」と呼ばれるもので、これが貼られていない看板は、公職選挙法との絡みで掲示や設置ができない。政治家とその後援団体などが政治活動のために看板を使用するためには、当該選挙を所管する選挙管理委員会に枚数や設置場所を届け出て、「証票」をもらわなければならない。

証票の枚数は、各自治体が選挙の種類ごとに決めており、鹿児島県の場合、県知事、衆議院議員(選挙区)、参議院議員(選挙区)でそれぞれ次のようになっている。

証票をもらうためには、看板を設置する住所と看板の記載内容を「証票交付申請書」に記載して選管に提出しなければならず、設置場所を変更する場合は、所定の様式で「届出事項の異動」を届け出る決まりとなっている。

鹿児島県選管への情報公開請求で三反園陣営の証票取得状況を確認したところ、同陣営は候補者本人用を12枚、後援団体用を21枚使用していた。このうち、後援団体用の3枚については9月11日に、下の異動届が出されている。

 新たに届出された住所地は、3カ所とも鹿児島市内の「谷山支所管内」。谷山は、鹿児島2区に入る地域である。(*鹿児島第2区は、鹿児島市内の谷山・喜入の各支所管内、枕崎市、奄美市、指宿市、南さつま市、南九州市、大島郡で構成。下の図参照)

三反園氏は、県内各地に設置していた政治活動用の看板を順次撤去し、鹿児島2区内の看板を増やしながら、朝立ちで手を振り、個別訪問を繰り返すといった動きを見せている。個別訪問を行う際、ついに下のような印刷物(読者提供)まで配り始めたという。

顔写真と名前の下に、「政財界取材歴30年 16人の総理を取材」とある。これが政治家・三反園への期待につながるのかどうか分からいないが、絶対的な強さをみせるはずの“2期目”を落としたことを考えると、記者歴をウリにするのは厳しいと言わざるを得ない。

■有権者からの厳しい視線

知事時代、「報道出身のくせに」「記者あがりとは思えない」などと、ほとんどのメディア関係者からその政治姿勢に疑問符を付けられた三反園氏は、有権者が望む「政治家像」について勉強し直す必要があるだろう。「偉い人と知り合い」というだけで、人が恐れ入ると思ったら大間違いだ。

前知事が人間として成長されることを祈るばかりだが、少なくとも、世話になった人たちの電話やメールを黙殺するよう真似だけはお止めになった方が良い。

鹿児島市の谷山地区に住む男性会社員は、三反園氏の動きについてこう話している。
「三反園さんは何をやりたいのでしょうか?知事に落ちたら今度は衆議院?ただ政治家になりたいだけだとしか思えないですね。知事時代に会合のドタキャンやパワハラで物議を醸し、原発のことでは野党陣営や反原発の人たちを利用するだけして、平気で関係を断った。政治家である前に、人としてどうかという話でしょう。私は自民党支持だが、三反園さんには入れなかった。筋が通らないからですよ。2区で(選挙に)出るのは自由でしょうが、もう一度自らの4年間を振り返った方がいい」

 

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