政府・自民党が派閥の政治資金パーティーを巡る疑惑に揺れる中、二階派の事務総長を務める武田良太元総務相が11日、自身の政治資金パーティーを開催する予定であることが分かった。
■貪欲にカネ集め
武田氏が11日18時半から東京都内のホテルで開く政治資金パーティーの会費は20,000円。会場には同ホテル最大の部屋があてられており、1,000人を超える参加者が見込まれるという。
同氏のカネ集めの凄まじさは、その額や利益率から明らかだ。パーティーを主催する武田氏の資金管理団体「武田良太政経研究会」が総務省に提出した令和4年分(2022年分)の政治史資金収支報告書によれば、昨年1年間に開催された政治資金パーティーは4回。計1億9,686万5,000円を売り上げていた。
特筆すべきは「利益率」で、いずれの政治資金パーティーも会場費などの開催経費は総収入の約1割。つまり、売り上げの約9割が儲かっている計算だ。
政治資金パーティーとは、対価(会費)を徴収して行われる催物なのだが、武田良太政経研究会が開催した4回のパーティーの参加者実数は、販売枚数の三分の一もしくは四分の一程度だとされ、毎回1,000枚から3,000枚前後のパー券の売り上げ金が、見返りのない事実上の「献金」となっている格好だ。脱法行為と言われてもおかしくはあるまい。
それにしても、政治資金パーティーを巡る疑惑に国民の厳しい視線が注がれる中、あえてカネ集めを強行する武田氏の感覚は理解できない。確かに、岸田文雄首相が自粛を要請したのは「派閥」の政治資金パーティーで、政治家個人の開催は自由だ。しかし、武田氏は二階派の事務総長。中止か延期を選択すべき立場ではないだろうか。国民感情と政治家の間のズレが、現在の永田町を象徴しているといえそうだ。