4月15日午前11時半頃、衆議院和歌山1区補欠選挙の自民党公認候補を応援するため和歌山市の雑賀崎漁港を訪れていた岸田文雄首相に、筒状のような物体が投げつけられた。
筒は、岸田首相から1~2メートルほどの距離のところに落ち、数十秒後に大きな音とともに爆発。首相は、爆発前にSPに囲まれ現場から離れ、難を逃れた。
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爆発物を投げつけたのは、20歳から30歳とみられる若い男性で、その場で警備していたSPなどの警察官に取り押さえられた。現役の首相をターゲットにして、爆発物を投げつけるという前代未聞のテロ事件。現場で事件の一部始終を見ていた地元の人は、衝撃の瞬間をこう振り返る。
「岸田さんは11時20分くらいに到着して漁港の中を視察されていました。名物の魚やエビを食べられて、『おいしい』と言われている声も聞こえていました。そのあと、今から岸田首相が話をしますよというアナウンスがあって、みんな前方に注目していたんです。岸田さんは前方にいた地元の人に手を振って応えていました。
背後から声がしたのか、岸田さんと門さんがそろって振り返ったと思ったら、筒のようなものが飛んで、岸田さんの近くに落ちたんです。すぐに警備の人が岸田首相を囲んで、その場から離しました。
地面に転がっていったのはにぶい銀色の筒で、何が起こったのかと思って見ていたら、『危ない、離れろ』と大きな声がして、逃げようと思ったときにバーンという大きな音がして、あたりが白い煙に包まれました。
あの筒が爆発したんだと思うと足が震えましたが、必死で逃げました。投げた男は3人くらいの警察の人たちにに足と胴体をつかまれて、持ち上げられ、運ばれていました」
騒然とする現場。そこに、またも怒声が響いたという。
「『まだあるぞ、逃げろ』という叫び声がしました。男は筒を何本か持っていたようで、警察に押さえ付けられている時に、鞄かポケットから落ちたようでした。爆発はしませんでしたが、あの群衆の中で爆発していれば大変なことになっていたはず。ゾッとします」
岸田首相は演説することなく、現場から避難。男はその後、到着したパトカーに乗せられ、連行された。
銃撃による安倍晋三元首相の死から9か月。今度は現職の総理大臣への爆発物テロが起きた。