町発注工事の入札結果や工事関連情報を隠蔽してきた福岡県大任町の永原譲二町長が、「大任町政治倫理条例」が定めた資産公開の規定に反し大分県日田市天瀬の別荘地にある自己所有の土地を申告していないことが分かった。今年4月の大任町議会議員選挙で町政刷新を訴えトップ当選した次谷隆澄議員が、永原氏の資産等報告書を閲覧し確認した。
町発注工事の入札結果を非公表にして国から「違法」を指摘されるなど異常な町政運営を続ける永原氏にとって、「ルール」は守るためのものではないということだろう。
■問題の土地は「賭け麻雀」別荘に隣接
下は、永原町長が平成14年に売買によって取得した大分県日田市天瀬町にある別荘地の登記簿。町長名義の土地は二筆あり、計494平米の広さだ。
問題の土地を含む周辺の公図を確認すると、永原氏の土地は永原氏の息子が代表を務める鷹羽建設の土地に隣接。さらに同社の地続きにある2棟の別荘は、指定暴力団「太州会」の幹部組長から、鷹羽建設の代表者である永原譲太郎氏が買い取った物件である
永原譲太郎氏名義の別荘では、永原町長や町長の側近として知られる有限会社の代表者Y氏などが賭け麻雀を行っていたことが明らかとなっており、一昨年1月の正月には、賭け麻雀に興じていた町長を含む数人が、新型コロナウイルスに感染していた。
次谷町議が町に閲覧請求して確認したことろ、永原町長が提出した資産等報告書には大分県日田市天瀬町の別荘地の土地が記載されていなかった。
2007年(平成19年)に制定された「大任町政治倫理条例」は、町長の資産報告について、収入や貸付金・借入金の他、保有するすべての土地・建物の取得時期及び評価を記載するよう定めており、永原町長の所有地不記載は条例違反にあたる可能性がある。
■会見で明言「違法状態解消」の欺瞞
永原氏はこれまで、暴力団の企業舎弟だったことを棚に上げ、「太州会から住民を守る」などと主張して入札結果表をはじめとする町発注工事関連文書を隠蔽。国から「違法」を指摘されたため、会見を開いて一部の入札結果を公表すると方針転換を装ったものの、ダミー業者を使った建設業界支配の実態が分かる2021年6月以前の入札結果は、いまだに公開されていない。つまり、会見で述べた「違法状態解消」は、“やっています”と世間に示すためのポーズ。役場の担当課は、「公開を検討する」と話すばかりで、実現時期は見通せていない。
永原町長は、なぜ『2021年6月以前の入札結果』の公表を頑なに拒んできたのか――実は、この疑問への答えは既に出ている。ハンターは永原町長の側近がコントロールしてきた「官製談合」の実態を暴露する証言を複数の関係者から得ており、近く詳細を報じる予定だ。
違法賭博に条例違反、特殊警棒を振るっての住民に対する暴力行為。永原氏を巡って次から次へと明らかになるのは、普通の大人なら絶対にやらないルール違反ばかり。これは、大任町民だけの問題ではない。