総理秘書官更迭 息子可愛さで支持率下落

岸田文雄首相は29日、長男で政務担当の首相秘書官を務める翔太郎氏を6月1日付で「更迭」すると発表した。首相公邸はプライベートスペースと執務スペースの二つに別れており、翔太郎氏が、公用が行われる場所で親族を招いて開いた忘年会の記念写真を撮っていたことが報じられたためだ。

週刊誌の報道では、組閣時に撮影が行われる赤じゅうたん敷きの階段で寝そべってアイスクリームを食べたり、並んで映った写真などが報じられており、翔太郎氏公私混同ぶりに批判が沸騰していた。

◇   ◇   ◇

岸田首相は、立憲民主党の田名部匡代参議院議員から国会で追及されると「自分も忘年会には顔を出した」と参加したことを認め「公邸内の私的な居住スペースで親族と食事するのは問題がない」、「公邸内には迎賓、執務機能を有する公的なスペースがあり不適切と認識している」などとした上で、「翔太郎氏を更迭すべきではないか」との質問には「厳しく注意した」と語っただけだった。

更迭見送りの方針を変えさせたのは、直近で行われた世論調査の結果。朝日新聞によると、この問題についての回答は《「大いに問題だ」は44%と多く、「ある程度問題だ」も32%を占めた。「あまり問題ではない」は19%で、「全く問題ではない」は5%だった》(朝日新聞5月29日朝刊の記事より)。国民の8割近くが問題視しているということだ。

「またやらかしたよ」と自民党幹部は吐き捨てるように言う。翔太郎氏は今年1月、岸田首相のヨーロッパ訪問に同行した際に、パリやロンドンで大使館の公用車を使い、土産物を買ったり観光名所を訪れたりしていたこことがバレて問題になった。この時は
「SNSなどで使う写真撮影のため」と言い逃れしたが、確認した限り、岸田首相関連でそのような写真がSNSにアップされた形跡はなかった。

今回、岸田首相は「緊張感をもって仕事にあたるように」と注意したというが、緊張感ゼロであることは明らか。週刊誌に暴露された写真が外部に出たのも「参加した親族が自慢げに友達に送信したり、一部のSNSでアップしたから」と官邸内には伝えられていたが、国の中枢である官邸内部の写真が外部に送信されたということは、危機管理がまったくできていないことを証明したようなものだ。

首相秘書官の仕事は、官邸に常駐して岸田首相を傍らでのサポートし、すべての行先に随行することだ。しかし、翔太郎氏はなぜかあまり官邸に来なかったという。官邸関係者もお手上げ状態だったらしく、苦り切った表情でこう語る。
「翔太郎氏がどこで何をしているのかよくわかりませんでした。(官邸に)来ていれば、在席のランプがつきますがそれもない。統一地方選の時は、地元広島で地方議員を回っていたと聞いていました。しかし、選挙も終わったので官邸に来なきゃいけないはずすが、姿を見ることは少なかったです。総理の長男ですから、誰も苦言を呈することなんてできませんよ」

翔太郎氏は、慶応義塾大学を卒業後、三井物産に就職。3年前から岸田首相の事務所に入り、その後秘書官に抜てきされたが、政治的な実績はまったくなかった。

「彼の力の源泉は、現職首相の長男という、この世に2人といない立場。それが失態続きで更迭が当然だったのに、岸田首相は動こうとしなかった。親バカにもほどがある。息子の不祥事が支持率に影響することなど、世論調査の数字に誰よりも敏感な岸田首相自身が最もわかっていたはず」――総裁選で岸田首相を支援した麻生派の国会議員が、呆れ顔で愚痴る。

首相公邸で、妻と翔太郎氏の3人で暮らしている岸田首相は、長男を首相秘書官にしたと理由について「危機管理のため」と説明していた。「家族なら、一大事があっても、眠っている岸田首相に伝えやすいということ」(官邸関係者)と庇う声もあったが、翔太郎氏自身が何度も“危機”を招く状況となっていた。

広島サミットにウクライナのゼレンスキー大統領を招いて、大きく支持率をアップさせた岸田首相。「岸田首相は、とにかく世論調査の数字が気になって仕方がないらしく、非常に気にしている。せっかくサミットで支持率が上向きかけていたのに、翔太郎氏の愚行で急降下。あわてて更迭したというのが真相だ」(前出の自民党幹部)

4月の衆議院補選では、山口2区をはじめ「親ばか」「世襲」が有権者から厳しく問われたばかり。翔太郎氏の年収は約1,300万円。昨年10月に就任したので税金からは9か月分、単純計算で1,000万円近くを手にしたことになる。まさに税金の無駄遣いである。

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