疑惑まみれとなっている福岡県田川市の「一般廃棄物(ごみ)収集運搬業務委託業者選定プロポーザル」を所管する市民生活部環境対策課(現・環境政策課)の池口芳幸課長が、選定された業者のゴルフコンぺに参加し幹事まで務めていた問題に、不正を示唆する新たな事実が判明した。
ハンターが入手した「早雲商事ゴルフコンぺ」のメンバー表によれば、池口課長の組で一緒にプレーしていたのは同課の清掃係技術主査(現在は異動)。ごみ収集運搬の民間委託を進めた担当課の課長と現場の主査が、そろって業者と癒着していたことになる。
市内部からは、“プロポーザル実施前の段階で一部業者に便宜供与を行っていた可能性がある”との情報も寄せられており、組織ぐるみでの不正が否定できない状況となってきた。
■担当幹部2名がゴルフコンぺ参加
田川市が2021年5月に実施した「一般廃棄物(ごみ)収集運搬業務委託 業者選定プロポーザル」を巡っては、担当課である環境政策課(今年3月までは環境対策課)の池口芳幸課長が昨年1月30日、選定業者「早雲商事」のゴルフコンぺ会場を予約した上に幹事まで務め、実際のプレーと二次会にも参加していたことが明らかになっていた(既報)。
昨年4月に早雲商事のゴルフコンペ問題を報じて以来、自身の会員権を使って会場予約したことを認めながら、「参加」を頑なに否定していた池口氏。しかしハンターが入手した「早雲商事ゴルフコンぺ」のメンバー表には、参加者32名の氏名が記載されており、池口課長ら3名が「IN 11:14」、早雲商事の代表者ら4名が「OUT 10:53」などと、各組の正確なスタート時間まで示されていた。
下はメンバー表の一部。池口課長の組である。課長の下に「二場英知」という人物の氏名が確認できる。
次の画像は、2021年度職員名簿の環境対策課のページ。課長は池口氏、二場という人物はプロポ――ザルが実施されたこの年、同課の清掃係技術主査を務めていた。
清掃係はごみの収集運搬の「現場」を担当する部署。つまり、「一般廃棄物(ごみ)収集運搬業務委託 業者選定プロポーザル」を所管する環境対策課の最高責任者と現場の幹部が、早雲商事のゴルフコンペに参加し、プレーを楽しんでいたということだ。地方公務員法に抵触する可能性が高い「官業癒着」の実態である。
市関係者からは、プロポーザルの公募開始前、一部の業者にのみ“ごみ処理基本計画”の内容が漏れていたとの告発が寄せられており、ハンターの記者が事実関係の確認を急いでいる。