愛媛県議会元議長「ハラスメント裁判」で明かされた加害状況

愛媛県議会第100代議長(平成24年3月~平成25年3月)の岡田志朗県議が、セクハラやパワハラで損害賠償請求を起こされた件で9月1日、「天王山」ともいえる松山地裁の審理が行われた。原告女性Aさんと被告の岡田氏の証人尋問が実施されるとあって注目度は高く、傍聴席はほぼ満席となった。ところが……。

◇   ◇   ◇

裁判長が発した冒頭の宣言に、傍聴席がざわついた。「今日は原告とその証人2名の尋問を行います」――なんと出廷予定だった岡田氏が「欠席」したのだ。まずは、こうした事態を招いた裁判の経緯を説明しておきたい。

訴えを起こした女性(以下「Aさん」)は長年、岡田氏から暴力行為やセクハラなどを受けていたことで、松山市内で経営していた飲食店が閉店に追いやられたとして損害賠償を求めて提訴した。

しかし岡田氏は、当該事案は2014年7月頃のことで、3年以上が経過しているため“除斥期間”が過ぎているとして訴えを棄却するように求め双方の主張が対立していた。

最初に証言した2人はAさんの飲食店に勤務していた女性。弁護士によると「県会議長経験者で、セクハラやパワハラで訴えられている岡田氏が恐ろしい」という理由で、傍聴席からは見ることができない「遮蔽」をしての証言となった。

それでも、2人の証言は「岡田さんはAさんにひどい暴力をふるっていた」、「岡田さんのハラスメントでAさんは追い込まれ、病院に通うようになり閉店を余儀なくされた」という内容で一致。揃って「岡田さんが最後に店に来たのは、2018年12月末、店が閉店になる直前」と述べ、除斥期間には当たらない旨の証言を行った。

Aさんへの質問がはじまったのは、同日午後2時45分。これまで本サイトで報じてきた通り、Aさんは「首を両手で絞められました。親指が喉ぼとけあたりに入ってきた」、「死ぬと思った」などと、時より涙声になりながら証言。Aさんが子宮筋腫の手術を受けた時も「“妊娠しないからやらせろ”と迫ってきました」、「術後の傷もあり、医師からは自転車に乗ってもいけないと言われていたが(岡田氏は)強引に求めてきた」、「お前はセックスマシンやと言われたこともあります」などと岡田氏の行状を訴えた。

岡田氏は県議会議長を経験し、今も県議という立場にある人物。そうした重い地位にある岡田氏に非道な暴言で追い込まれたAさんは、自ら命を絶とうと剃刀を持ち出したこともあったという。その時、岡田氏は「『お前、やれるものならやってみろ』というので、私は剃刀で切りました。すると血がたくさん出た。タオルなどで止血して、自分でタクシーを呼び、救急病院を探して向かいました。岡田さんはベッドで寝ていました」と証言すると、傍聴席からは「なんとひどいことをするのか。これが県民の代表なのか」と声があがった。

次いで岡田氏の弁護人が、Aさんにこう聞いた「被告(岡田氏)に性交渉を求めらて、お金を受け取ったのか?」。

Aさんは、性交渉を避けたいばかりに、岡田氏を眠らせようとマッサージを施したり、それでも収まらないと「現金を支払え」と言ったこともあるという。子宮筋腫などの病気があり、自らの身を守るためだ。その理由を説明しようとすると、弁護士は「質問に答えて、現金をもらったのか」と畳みかける。Aさんは仕方なく、「もらいました」と答えた。

性交渉を断ってきたAさんに、現金を払ってさらに行為を迫った岡田氏――別の見方をすれば「買春」ということになりかねない。Aさんと交際が続いていた時期、岡田氏は第Ⅽ代愛媛県議会議長だった。議長が「買春」に及んだと、裁判で認めているようなものだ。

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刑法の「強制性交罪」が「不同意性交罪」に改正され、今年7月に施行された。同意がない性交渉は「犯罪」だとして刑法が改正されたのだ。岡田氏の行為は、まさに「不同意性交罪」に該当する可能性がある。

Aさんへの尋問が終わると、裁判長が岡田氏側の証人採用についてAさんと岡田氏側から意見を聞いた。岡田氏の弁護は「来週手術に入ります。3週間の入院です。次回期日は遅めにしてほしい」と求め、同氏が被告人質問を欠席した理由が、病気にあることを説明した。
この点について、地元の自民党関係者が実情を明かす。「岡田県議は以前にガンの手術をしており、再発したと聞いている。県議会も欠席が続いている」

だが、証人尋問は岡田氏自身が裁判所に請求をしているもの。出廷しない、というわけにはいかないとみられている。

ちなみに愛媛県議会から裁判所までは200mほどで、徒歩1、2分ほどの距離だ。前出の自民党関係者は、こう話す。
「裁判で岡田県議側が『買春』を認めているような内容のやり取りがあったことは承知している。事実なら、自民党だけではなく愛媛県議会全体の信用を棄損することになりかねない。裁判に出るか出ないかではなく、公的な場でキチンと岡田県議の釈明を聞くべきという話が出ています」

この日、Aさんは尋問終了後、法廷から出るところで倒れてしまったという。長時間の尋問のよる体調不良だった模様だ。それでもAさんはハンターの記者が声をかけると「必死で話をしました。言ったことは本当で、何もウソはない。岡田さんは逃げずに堂々と法廷で話すべきだ」と声を震わせた。

 

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