反省なき旧統一教会、100億円供託表明の裏で自民党議員へのFAX攻勢

国から解散命令を請求されている旧統一教会(現在の世界平和統一家庭連合)が11月7日に記者会見。田中富広会長は「献金に際し、家庭事情や経済的状況に対し配慮が不足していたなど、法人の指導が行き渡らず不足なことで、今までつらい思いをされてこられた皆様に率直におわびしなければならないと考えています」、「(解散命令請求の)司法判断が下されるまで、供託金を準備し60億円から100億円を国に供託することを役員会で決定した」などと発表した。しかし、真摯に反省する姿勢は一切なし。事実上、徹底抗戦を宣言した格好となった。

◇   ◇   ◇

昨年7月の安倍晋三元首相の銃撃事件で改めてクローズアップされた旧統一教会の高額献金などの「悪行」、文科省の調査で明らかとなった「組織性」「継続性」「悪質性」についてはいずれも否定。高額献金した信者、元信者たちについても「献金返金請求があってもすべてが被害者とは言えない」、「被害者がいてはじめて謝罪となるので、そうではない。お詫びだ」と述べ、謝罪もなければ法的な責任も認めない、酷い内容の会見だった。

実は、10月13日に盛山正仁文科相が「解散命令の請求」を東京地裁に申し立てた10日後の10月24日。自民党国会議員の事務所には、立て続けにFAXが送信されてきていた。

発信者は統一教会の田中会長。《解散命令請求裁判の判断前に違憲違法な立法措置等がなされないようにお願い申し上げ、また当法人が元信者等による返金トラブル等に対して十分に対応してきたし、またこれからも対応できることを改めてご説明申し上げる》と一方的に『反省』を否定する資料だった。

受け取った自民党の国会議員の一人が、困惑した様子でこう話す。
「私も自民党の点検で旧統一教会のイベントに祝電を送ったり、挨拶に行っていたことを申告しました。その後はまったく連絡を絶ち、関係がなかった。それが突然FAXが届いて、どうなっているのかとただ驚くしかありません」

A4サイズで18枚という長文のFAXを読み進めると、前出の議員が困惑するのがよくわかる。

  • 《不当に当該宗教法人の財産権を制約し、ひいては当該宗教法人やその信者らの宗教活動等に多大な支障を生じさせ得るもので、憲法20条および29条が保障する宗教活動の自由及び財産権に対する侵害が著しく、違憲違法です》
  • 《法案は、信教の自由に対しする配慮が著しく欠けている》
  • 《このような法案が間違っても国会で制定されることがないよう、同法案がいかに違憲・不当であるか》
  • 《法案は違憲であり、当法人の上記の実態からも必要性がないため、同法案を国会に提出することは厳に控えて頂けますよう、この文書をもって申し入れます》

旧統一教会が警戒してきたのは解散命令請求そのものだが、さらに嫌がっているのが、立憲民主党や日本維新の会が国会に提出した、解散命令請求を出された宗教法人に対して財産保全ができる法案だ。

法案は、旧統一教会を念頭に、信者らから不当に集めた高額献金が散逸、隠ぺいされないように保全するための「財産保全措置」を定めるもの。「悪魔」「不幸がくる」「先祖が苦しんでいる」などとありもあしない理由をつけ、不安を煽り、安価な壺や絵画、ペンダントなどを売りつけた“霊感商法”で肥大化した「カネ儲け集団」が旧統一教会の正体だから、当然の対応策である。

旧統一教会が突然、自民党の国会議員にFAX攻勢をはじめたのかのはなぜか――。九州で旧統一教会の幹部だった元信者が、次のように解説する。
「旧統一教会が60年以上もやってこれた源泉はカネです。教会長など幹部となれば高額の報酬がついてきます。そのためには、ノルマとなる高額な献金を集めなければならない。それを見逃してもらうために自民党の国会議員などの選挙を応援して票を集め、時にはウラでカネを渡す、というようなマネをやってきた。窮地の追い込まれても自民党が助けてくれると思ってFAXを送ったのでしょう。旧統一教会の幹部は個人的にも自民党の国会議員と親しい関係にあります。本当は直接、書面を持参して訴えたかったのでしょうが、さすがにこれだけ批判が多いとまずいとFAXに切り替えたのでしょう」

旧統一教会にとって、宗教法人というのが「隠れ蓑」にすぎないことは明らか。旧統一教会の「正体」については、本サイトで何度もリポートしてきた通り(*参照記事)。そもそも旧統一教会自身が「マニュアルは組織的だとみられかねない。なくそうとしている」として、マニュアルを作成して高額献金を集めていたことを認めているのだ。

『安倍事件で騒がれて、返金請求が急激に増えた』と安倍氏銃撃事件のせいで問題視されたと責任を転嫁する旧統一教会。独善的な体質は、まったく変わっていない。

記者会見で表明した最高100億円の供託も、霊感商法などで集めたカネが原資のはず。しかも、まだ実際に供託されたわけではない。FAXを送り付けられた自民党議員は「ここまでくれば、もう自民党が助けることはない。100億円供託しようが無理だ」と話すが、不安材料もある。これまで自民党に寄り添い続けた旧統一教会だけに、政治家の「弱み」もつかんでいるとみられており、今後、水面下で自民党と旧統一教会の激しいバトルが展開される可能性もある。

この記事をSNSでシェアする

関連記事

注目したい記事

  1. 6月20日告示、7月7日投開票の東京都知事選に、現職の小池百合子知事が3選を目指して立候補する意向を…
  2. 兵庫県洲本市のふるさと納税を巡り、ハンターはこれまで、事件性のある事案であること報じてきた(既報)。…
  3. ヒグマの駆除をめぐり、にわかに大きな議論を呼んでいる北海道の自治体と地元猟友会との確執。今月中旬から…
  4. 2017年、国は高レベル放射性廃棄物(核のゴミ)を最終処分する用地の適性を4段階で評価し、日本地図上…
  5. ハンターの勝訴によって、永原譲二大任町長が公開を拒んでいた2017年度~2021年6月までの入札結果…




LINEの友達追加で、簡単に情報提供を行なっていただけるようになります。

ページ上部へ戻る