【福岡県大任町・永原町政の闇】不正入札の実態明らかに|複数業者が証言

5選を目指した福岡県町村会の会長選挙に敗れた福岡県大任町の永原譲二町長が主導してきた「不正入札」の実態が、明らかになった。実際に永原氏とその周辺から「仕事」をもらってきた複数の業者の証言によるもので、改めて町政私物化に対する厳しい批判の声が上がりそうだ。

■ダミー業者の受注実績

これまでハンターは、大任町発注の公共工事で、ダミー業者を使った公金収奪が行われていることを報じてきた。仕組みは、こうだ。

ピラミッドの頂点にいるのは永原町長で、そこから落札する業者が指名される。元請として落札するのは、町長の言いなりに動く8人ほどのペーパー業者。建設資材どころかスコップの1本さえ保有していない業者ばかりで、代表者が建設現場に出ることはほとんどなかったとされる。それもそのはず、ぺーパー業者の代表者はスナックのママさんやトラック運転手などで、実際の工事に携わった経験のない人間ばかりだとみられている。

 元請ペーパー業者の丸投げ仕事を引き受け、最終的に実務を行うのは永原氏の身内か側近の業者。儲けはほとんどこの連中が吸い上げ、何割かを町長側に流していた疑いがもたれている。

ペーパー業者が県に提出した工事経歴書で確認できただけでも、次のような受注実績があったことが確認済みだ。

■側近業者の受注実績

ぺーパー業者ではないが、ペーパー業者が丸投げした仕事を請負ってきた永原町長の側近業者が、大任町から、別に多くの工事を受注していることも分かっている。下が、工事経歴書から確認できた各社の実績。平成28年から令和3年までの5年間に4社で91件、契約額で21億円を超える町発注工事を受注していた。

 大任町では、平成27年から令和3年にかけ、分かっているだけで、たった12の業者が208件もの工事を受注。契約額は約40億円以上に達していた。永原町長及びその周辺の関係者だけが、税金を原資とする公共事業を独占している形だ。

断っておかねばならないのは、本稿で示したダミー業者や永原町長の側近業者の受注実績は、全体の一部に過ぎないということ。今後、入札結果や建設関連文書が表面化するにつれ、不良業者の受注額はさらに膨らむことになる。

■不正入札の指示役・藤吉氏とは・・・

前置きが長くなったが、永原町長に従うダミー業者と側近業者に町発注工事を独占させるには、業者を巻き込んだ「官製談合」が必要となる。主導するのは、永原氏本人かその周辺人物に限られる。もちろん、役場の職員もグルでなければ、この犯罪行為は成り立たない。

ハンターは約2年間、同町の狂った建設行政について取材してきたが、ここにきてようやく複数の業者がら重大な証言を引き出すことができた。以下、複数の業者の話から一致する部分をまとめた。

大任町で一定水準の公共工事を受注するためには、永原町長が事実上主催する「田川政策研究会」への加盟が必要となる。会費は年48,000円。ハンターが話を聞けた関係者は、「永原太」という人物に会費を渡していた。

永原太氏は永原町長の親族。ダミー業者の一つである信栄建設の代表者で、全日本同和会の地元組織で委員長を務めている。町内の業者に睨みを利かす存在の一人だ。

田川政策研究会のメンバーの中でも、上掲の表にある12の業者は特別扱いで、まともに仕事を行う業者の何倍、何十倍もの工事を落札してきたという。

仕事の振り分け手口は単純で、ます、町長側近として知られる「藤吉俊数」という男性から「今度は、おたくだ」あるいは「今度は、おたくになったから」などと連絡が来る。藤吉氏は指定暴力団「太州会」の元組員で、1996年に永原氏が設立した建設資材の企業組合「九州環境企業組合」の工場長を務めていたことが分かっている。

藤吉氏から連絡を受けた業者は、同時に予定価格を告げられ、そに従って予定価格を少し下回る金額で入札書を作成。次に、町から指名された他の業者に入札金額を示して回る。すると他の業者が、入札実施日に落札予定業者より高い金額で応札するという仕組みだった。つまり入札に参加する業者も役場もグル。「役場の職員も悪いことだと分かっている。だけど、町長が怖くて黙々と従う。私らは、食うために町長の子分である藤吉の言う通りにするしかない」とある業者は語る。

証言した業者に“誰が落札業者を決めるのか”と聞いたところ、全員が異口同音に「永原町長」と即答。藤吉氏は、永原町長の指示に忠実に従っている協力者で、不正入札の主導者は町長ということになる。

■悪質な血税私物化

言うまでもなく、不正入札や談合によって不利益を被るのは納税者だ。得をしているのは一部の業者と、不正を主導して何らかの利を得る人物ということになる。ようやく口を開いた業者らの証言が事実なら、公共工事の上前をはねてきたのは町政トップの永原町長。「暴力団から町民を守ってきた」と主張しヒーローを気取ってきた権力者が、実は町民の血税を私物化し、食い物にしていたというのだから、呆れるしかない。

ダミー業者の存在や、不正入札が繰り返されてきた事実を、警察が知らなかったとは思えないが……。

この記事をSNSでシェアする

関連記事

注目したい記事

  1.  第2次岸田再改造内閣は中身が伴わず、世論調査の数字も低調。数少ない「ウリ」が5人の女性閣僚だったが…
  2.  疑惑まみれの公務員の「嘘」を、一般市民が許すはずはなかった。  利害関係のある業者のゴルフコ…
  3. 代わり映えなし、期待なしの岸田文雄首相による第2次再改造内閣。最大のサプライズが、「文春砲」で妻のX…
  4. ごみ収集運搬業者の業者選定プロポーザルで不正な点数操作を行い、特定業者に事実上の便宜供与を行っていた…
  5.  また一つ、田川市環境政策課による悪質な違法行為の一端が明らかとなった。  今月13日、不透明…




LINEの友達追加で、簡単に情報提供を行なっていただけるようになります。

ページ上部へ戻る