【独裁の証明2】永原譲二大任町長、一部事務組合長の権限悪用し特定業者潰し|問われる関係自治体の「正義」

田川市・郡8市町村のし尿処理やごみ処理を司る一部事務組合「田川地区広域環境衛生施設組合」の組合長を務める永原譲二大任町が、ヤクザとの関係をでっち上げ、ごみ処理業者の許可申請を「不許可」にした。問題の経緯を検証する中、組合長としての権限を悪用し、気に入らない業者を排除しようとする永原氏の手口が浮き彫りとなった。

◆   ◆   ◆

事の発端は、今年1月に田川地区広域環境衛生施設組合設立準備室が発出した下の文書。一般廃棄物収集運搬業者の許可を出すにあたって、各自治体に業者の「推薦」を求めるという異例の内容だった。

一般廃棄物収集運搬業者に与えられる許可書の発行は、業者ごとに自治体が行うのが原則。これまでは、田川市郡の8自治体が個別に許可を与えていたという。しかし、先行して稼働した“し尿処理施設=田川地区クリーンセンター”に続き整備が進められてきた“ごみ処理施設=さくら環境センター”が完成したことを受け、今年4月からし尿処理とごみ処理に関する運営事務の全てが一部事務組合である田川地区広域環境衛生施設組合に移譲されることになっていた。

各自治体が許可している業者の名簿をそのまま提出すればいいはずだが、組合の設立準備室側が求めたのは何故か「推薦」。期限は1月23日で「期限厳守」とある。しかし田川市は、「推薦」という手法などに疑義が生じたとして、事務手続きを先延ばしする。この点、同市の担当課に甘さがあったことは否めない。「黙って推薦書を出しておいて、疑問点はその後に協議すればよかった」――田川市の関係者はそう話す。

だが、一方的に担当課を責めるのは早計。ハンターが田川市に開示請求して入手した資料の中にある「田川地区広域環境施設組合準備室との協議」と題する文書には、市側が事務手続きを「待ってほしい」と頼み、それを準備室が容認していたことを示す記述があるからだ。しかも同文書からは、疑問点を協議するための場を「1月31日」に設定しており、それを双方が認めていたことが読み取れる。田川市側が、それまで事は動かないと判断していたことも理解できる。

ところが、準備室は各自治体から「推薦」された業者に個別に連絡、田川市側との協議が31日に予定されていたにもかかわらず前日の「30日」に、推薦された業者だけを集めていきなり「説明会」を開いていた。この段階では、田川市からの推薦文書は当然発出されていない。

こうした流れの中で、他の自治体からの推薦がなかったある業者が、説明会からはじき出される。一方的に排除された格好となった業者は、「説明会があるという連絡さえなかった」と憤りを隠さない。

説明会では許可申請に必要な書類が各業者に示されたため、参加できなかった業者は、何の責任もないのに「許可申請」ができないという理不尽な扱いを受けることになる。

まともな行政機関なら、事情を確認して許可申請を受け付ける。しかし組合準備室は、説明会に来なかったという理由だけで業者の許可申請を「説明会は1回限り」「受け付けない」として拒否。田川市長が出向いて事務の遅れを謝罪し、永原組合長を説得したものの、同組合長は許可申請の受け取り拒否方針を撤回しようとしなかった。

おかしな話である。そもそも、業者が説明会に呼ばれないという状況を作ったのは「推薦」を期限通りに行わなかった田川市。市と業者が“嵌められた”形であるのは明らかだが、市は責任を認め組合長に謝罪までしている。しかし、意図的なのだろう、準備室は業者の申請を拒否し、関係書類を見せようとさえしなかった。もちろん、これは「違法」であり業者が訴えれば負けることはない。

余談だが、虎の威を借るナントカはどこにでもいるようで、ハンターが入手した1月30日の記録文書には、居丈高に振舞う準備室幹部の発言が正確に残されていた。

“説明会に来なければ許可の対象にならないのか?”という田川市側の問いに対しては――「それはそうだろう」

“(事務手続きを)ちょっと待って下さいと話したではないか”に対しては――「それなら日にちを守らないと」「俺がた(俺のところ)の専権、俺がたの事務。市町村に言う必要ない

“説明会に来なかったから(申請拒否)というのは厳しすぎる”には――「よその事務に口出ししてはいけない

同じ一部事務組合の参加自治体に対し、「口出し無用」という非常識な態度だ。永原町長の考え方そのままだが、こんな暴論がまかり通っていいはずがない。ちなみに、この時の協議において準備室側の代表として対応したのは、不正行為が認められ2度も懲戒処分を受けた田川市のI元課長と市から出向していたY係長。市に恨みでもあるのか、役所の都合で排除された業者のことには一切触れず、市の責任を責めるばかりだった。I氏は昨年、田川市を退職し、翌月から永原町長の大任町職員に採用されている。

繰り返し述べるが、説明会に参加できなかったのは業者の責任ではない。事情を汲んだ上で、法に従い申請を受け付けるのが一部事務組合としての正しい姿勢だ。頑として申請受付を認めない永原氏だったが、法を無視したことで叩かれると思ったのか、永原氏が出馬予定だった大任町長選挙の直前、一転して「許可を受け付ける」と言い出す。大任町長選挙を前に、違法性を指摘されることを避けたとみられていた。

案の定、受け付けはしたものの選挙で再選が決まった翌日、大方の予想通り永原氏は業者に「不許可」の通知を出す。不許可理由に「ヤクザとの付き合い」をでっち上げた汚い手口は、《「ヤクザが土地を売りに来た」― 永原譲二大任町長、でっち上げと恫喝で業者の廃棄物収集運搬業務申請を不許可》と《永原大任町長、関係自治体に通知せず一部事務組合条例規則を改変|特定業者排除に権力乱用》で報じた通り。一連の経緯をたどれば、“特定の業者を締め出すための策謀だった”という見立てが成り立つ。

仕組まれた業者排除だったことを示す証左もある。不許可処分を受けた業者は、それまで田川市と香春町から許可を受けていた。田川市は述べてきた通り推薦できずに終わっていたが、刑事事件でも起こさない限り、香春町は推薦できたはずだ。ところが、香春町に推薦業者リストを開示請求して確認したところ、件の業者の社名はない。同町の担当課に理由を聞いたところ、「組合側から、営業実績が少ないところは推薦しないようにとの指示があった」と言う。しかし、営業実績のある・なしと、新たな許可とには何の関係もない。新設されたゴミ処分場の稼動にともない、これまでなかった香春町でのごみ取集業務が拡大する可能性もある。町側をさらに問い質すと、「(既設の)東部ごみ処分場に搬入実績がない」という理由を持ち出した。いずれの理由も組合側の言い分である。そこで組合から指示を受けた際の記録を開示するよう求めたが、「指示は文書ではなく口頭だった。記録も残していない」と開き直った。つまり、違法であろうとルール違反であろうと、永原氏がトップを務める組合の指示であれば疑うことなく従うということだ。呆れるしかない。これで自立した自治体といえるのか?

田川市郡は、長く独裁者・永原譲二大任町長の支配下にあった。後ろにいるのが武田良太元総務大臣であり、指定暴力団「太州会」であったことは報じてきた通りだ。恐怖支配に加え、「過疎債」を使って大きな公共事業をいくつも創出し、建設業者などにアメをしゃぶらせ、票とカネを集める――それが独裁を容易ならしめてきた手口だ。さらには、町だけに留まらず、一部事務組合における行政権限まで悪用し、気に入らない相手を徹底的に潰す。こんなことを、いつまで続けさせるとういうのだろう?永原氏の独裁を許してきた郡内の首長と議員たちに問いたい。“あなたたちは正義という言葉を知っているのか!”

(中願寺純則)

 

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