自民党安倍派=「清和政策研究会」(清和会)の政治資金パーティーを利用した裏金問題を受け経済産業相を辞任した西村康稔衆院議員が、今月3日、選挙区である兵庫9区内にある淡路市で開いた国政報告会で、参加者に対し、自身のカレンダーを渡していたことが分かった。案内文にはカレンダー代として「100円」と記されていたが、多くの参会者が支払っていないかったという。特に、公明党関係者からは一切100円を徴収せず、カレンダーを渡していた。選挙区内での寄附を禁じる公職選挙法の規定に抵触する可能性がある。
(*下は、淡路市で開いた国政報告会の様子を伝える西村氏のフェイスブック投稿)
下が西村氏の政治団体『西村やすとし後援会「康風会」』が関係者に出した「淡路地区国政報告会」の案内文。国政報告会は、12月3日14時から、淡路市内の「しづかホール」で開かれていた。
《【入場】100円/お一人様 (*2024年のカレンダー代として)》の記述から、カレンダー代を100円と設定していたことが分かる。タダで配れば、公職選挙法が禁じる選挙区内の寄附になるからだ。
ところが、動員されたとみられる公明党関係者には、受付を一般と区別した上で「(100円は)結構です」「いりませんから」とカレンダーを無料で手渡し。それだけでなく、一般参加者の多くも、タダでカレンダーをもらっていた。
ある参加者に聞いたところ、「私は学会員ではありませんが、100円は払っていません。受付で『いいですよ』と言われたからです。公明党さんの受付も見てましたが、100円はとっていませんでしたよ」と振り返る。話を聞けた公明党関係者も「払っていない」と明言している。
国政報告会の参加者は800人近くいたとされ、数百人がタダでカレンダーをもらったのは確かなようだ。公職選挙法は、政治家本人や政治家の支援団体による選挙区内の寄附を禁じており、西村氏側のカレンダー配布は、同法の規定に抵触する可能性がある。
安倍派の議員は、やはり規範意識が欠如している。