28日、田川郡内の8市町村で構成する「田川郡東部環境衛生施設組合」の会議の席上、組合長を務める永原譲二大任町長が、田川市の村上卓哉市長と同市の課長に土下座を強要、永原氏に同調する組合議員らも荒い言葉で土下座を求めたため、課長を庇った村上市長が土下座する事態となった。永原氏はもちろん、同調した議員らにも「強要」の疑いがあり、刑事事件に発展する可能性が高い。
ハンターは会議の音声データを独自に入手しており、特に問題と思われる部分を公開する。
永原氏らが攻め立てたのは、昨年12月の組合議会で田川市に提出を求めた文書がいまだに届けられていないという点。議長役の田中良幸大任町議がわざとらしく「台本」を読み上げる形で議事が進む中、永原氏が田川市の担当課長を自分の「部下」と決めつけた上で、部下の不始末を詫びるとして突然土下座した。
永原氏の暴走に同調する町議らは、田川市長に対し「あんたが土下座せないかん」「土下座で済むことじゃない」などと一斉攻撃。「書類提出を今月いっぱいで終わらせろ」(田中議長)、「担当課長を処罰せよ」(某町議)と越権も甚だしい無理難題を押し付け、田川市長と担当課長を立ち往生させた。
田川市の担当課長が理路整然と経緯を説明しはじめると、都合が悪いと見たらしく、永原氏が課長の発言を制止。田川市長の説明にも耳を貸さず、自らの土下座を道具に語気荒く「俺はあんたの上司として土下座までして断り入れちょんぞ。ここは田川市ではない」とヤクザまがいの恫喝。ついには「市長もあんたも二人、土下座せい!ここで!俺、怒っちょるぞ」と言い放った。元指定暴力団「太州会」の企業舎弟らしい、どすの効いた強要行為だった。田川市民を愚弄する暴挙であり、ハンターが独自に入手した音声データを公開する。
土下座の強要を知った一般市民からは、ネット上を中心に、永原町長の所業に厳しい批判が殺到する状況。関係者の間に、永原町長と町長に同調した議員らに対し、告訴、告発を検討する動きが出ている。
永原氏の暴力的な言動を巡っては昨年、脅し文句を並べて、ごみ処理施設に関する開示請求に応じないよう迫ったとして田川市長が「強要未遂」で同町長を福岡県警に刑事告訴。複数の田川市議も連名で刑事告発し、いずれの訴えも受理され捜査が続いている。
ちなみに、土下座強要の前提となった「田川市の課長は俺の部下」という発言は、間違い。総務省市町村課は、一部事務組合のトップと構成自治体の職員に、上司と部下の関係はないと明言している。