【2023北九州市長選】初当選の武内和久氏に単独インタビュー

5日に投開票が行われた北九州市長選挙で、自民、公明、立憲民主、国民民主の各党に加え、労働組合「連合」の推薦まで受けた相乗り官僚候補を破った武内和久氏。興奮冷めやらぬ選挙事務所で、初当選の喜びと新たな市政への抱負を語ってもらった。

◇   ◇   ◇

――当選おめでとうございます。自民、公明、立憲民主、国民民主、連合が推す候補者との事実上の一騎打ちで勝利を得られたわけですが、勝因は?
武内: ひとえに市民の皆様の思い。この思いをこの武内和久に預けていただけたことに尽きると思います。私も含めて、一人ひとりの力は小さい。しかし、束ねると、大きな組織や団体をも凌駕する力になり得ます。奇跡を起こす力は、市民の皆様お一人おひとりの中にあるのだということを、選挙戦を通じて私も実感できたし、市民の皆様も実感できたのではないかと思います。この成功体験を、北九州が日本、いや世界の成長エンジンになるためのチャレンジにいかしていきたいと思っています。

――有権者の反応は、候補者が一番よく分かるものです。「いける!」と感じた瞬間があったのではありませんか?
武内:マイク納めのとき、機器の不調でマイクが使えなくなりました。20時のマイク納めまで残り時間もわずか。大勢の人に集まっていただいたのに、私の最後の訴えを後ろにいる方まで届けることができない。「場が持たない。どうしよう」と一瞬焦りました。しかし、どこからともなく、支援者の皆様の中から「たけうち」コールがわき起こりました。私もすぐに思い直すことができました。こんなことは、これまで、いや、これから立ち向かう困難と比べたら、なんでもないことだと。このときに、支援者の皆様方との一体感を強く感じることができました。

――公約達成に邁進されることになりますが、真っ先になさりたいことは?
武内:一番求められることはスピード感です。まず、官民合同チームを発足させて、これまでの行政のあり方に無駄がなかったのかについて検証を進めます。6月議会に向けて、予算に肉付けをしていかないといけません。まずは、無駄なものを省き、いくら捻出できるのか。これをまずは早急に実施したい。公約に掲げました第2子以降の保育料無償化などの子育て支援策は必ずやったうえで、αでできることはないのかについても探っていきたいと考えています。

――オール野党体制下での船出となります。市政を、どうかじ取りしていきますか?
武内:
直近の民意は、今回の市長選の結果です。市長を選ぶのは市民であることが、今回の投票結果で示されたわけです。議会の皆様におかれましては、この民意をくみとっていただけるものと確信しておりますので、心配はしておりません。それに、私には、井上、大石、三原の3市議がついておりますし、私の公約に共感いただいたり、ひそかに思いを寄せていただいたりする議員の方も少なからずおります。議会の方々におかれましても、この街の財政状況などを鑑み、二元代表制の車の両輪として、私や市民と目線をそろえていただけるものと信じております。

――服部県政との向き合い方は?
武内:服部知事におかれましては、堅実な県政運営をされておられますので、この北九州市が福岡県の成長エンジンとなるように協力していただけるものと確信しております。今後の県政、あるいは北九州市政の課題についても緊密に連携し、解決する方法を見い出していきたいと思います。

 ――かつて福岡市の政策参与を務めておられました。高島市政との連携は?
武内:
私の選対本部長を務めて頂いた三原あさと市議は、かつて福岡市の高島市長の秘書でしたので情報交換し易い環境にあります。これまで滞っていた福北連携ができるスタート地点に立てました。周辺都市等と連携し、北部九州、関門エリアの力を結集して、日本の成長エンジンにしていきたいと願っています。

――北九州市民に何か一言。
武内:
この武内和久に皆様の思いを託していただきました。心から、『ありがとうございます』と申し上げたい。私は、県知事選で一敗地にまみれ、一度死にました。その私に立ち上がる勇気を与えてくれたのが北九州の方々です。それだけではなく、今回の選挙戦を通じて、支援の輪をどんどん広げていただけました。感謝しかありませんが、この感謝を、どういう形で恩返しするのか――。その答えは一つしかありません。この街をもう一度、成長軌道に乗せ、ポテンシャルを最大限に引き出すことです。そのためには、92万人が思いを一つにして前に進む必要があります。選挙で私に投票しなかった方も大切な市民の方々です。選挙は終わりました。これからはノーサイドの精神で、私は92万人すべての市民の市長になります。この街に住む人々はみなこの街をよくしたい、そういう思いを持っているはずです。私がリーダーとして92万人の思いをくみ取って、パワーを結集し、北九州を前に動かそうと思います。ぜひお力をお貸し頂けたらと思います。

――最後になりますが、武内さんの「夢」は?
武内:
私の思いは一つです。この北九州を再び、日本、そして、世界の成長エンジンと呼ばれるような活気あふれる街にすること。まずは、この街を停滞させていたサビを取り除き、再び前に動かしたいですね。

――お疲れのところ、本当にありがとうございました。新しい北九州に期待しています。

 

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