健康被害「紅麴」の小林製薬と日本抗加齢協会との関係|万博「ヘルスケアパビリオン」には5億円超の協賛金

死者5人、入院が100人を超すという大きな健康被害が社会問題になっている、小林製薬の紅麴商品。今も健康被害を与えている物資が特定されず、3月29日に大阪市内で記者会見した小林章浩社長は「多大なる不安、ご迷惑をおかけしており、深刻な事態になってしまい申し訳ない」と陳謝した。

■大阪・関西万博に5億円以上の協賛金

小林製薬は1月15日、外部から紅麴コレステヘルプによる腎疾患の症例報告を受けた。2月にも複数から指摘があったにもかかわらず、発表したのは3月22日金曜日の夕方。株式市場が閉じた後だった。

会見冒頭、海外メディアからは、早急な発表がなく小林製薬の株価が下落していたため「インサイダー取引があったのではないか」との厳しい追及が――。小林社長は「3月18日には、その週内に発表をしなければと思い3月22日になった。株式市場とは関係はない」とインサイダー取引疑惑の火消しに躍起となった。

その小林製薬、実は2025年4月開幕の大阪・関西万博で、5億円以上の協賛金が必要となる「大阪ヘルスケアパビリオン」の「プレミアムパートナー」に名を連ねている。万博のテーマは「いのち輝く未来社会のデザイン」だが、小林製薬は人命を縮めかねない商品を大量に販売してたということだ。

「大阪ヘルスケアパビリオン」は大阪府と大阪市が主体となっている施設だが、小林製薬はスポンサーとして多額の資金を出す一方で、市から回収命令や立入調査を受けている。明らかに利益相反ではないのか。

小林社長は記者会見で「万博のことは頭になかった。今、そういうことがあるという認識をしました」とあまりに鈍い反応。とても上場企業とは思えない姿勢だ。

■ワクチン開発頓挫で疑惑が持たれた人物との関係

「大阪ヘルスケアパビリオン」の総合プロデューサーは、失敗したコロナワクチン絡みのグレーな実態を報じている大阪大学の森下竜一寄付講座教授が務めていることも見逃せない(既報)。

問題になっている、サプリメント「紅麴コレステヘルプ」は機能性表示食品として消費者庁に届出をし、認証を得ている。

機能性表示食品は、2013年に安倍晋三首相がアベノミクスの規制緩和の目玉として打ち出した制度。それまでは、特定保健用食品(トクホ)が食品の効用などを謳える唯一のものだった。トクホは国の機関が審査した後に認められる――つまり国の「お墨付き」だが、機能性表示食品は企業や団体などが独自に研究し、レポートを作成して国に届出するだけでよく、ハードルがぐっと低くなる。

森下教授は、総理大臣の諮問機関「規制改革会議」の委員として、健康食品の規制改革、機能性表示食品の創設を強く提言していた人物だ。2014年10月の「規制改革会議」ワーキンググループで森下氏は、「例えば、私が何か機能性の健康食品を出したいと。そうすると消費者庁に届出をして、その時点から商品の企画をして、許可が出れば、すぐに発売できるという理解でよろしいですか」と早期に機能性表示食品を国が推進するように求めていた。

2015年に制度がスタートすると、森下氏は日本抗加齢協会の副理事長に就任。同協会のホームページには、機能性表示食品の食品データブックや研究レビュー作成などの業務内容が記されている。つまり、国に届出する書類の作成を有料で手掛けているのだ。

森下教授は、自らが機能性表示食品を制度化するよう提唱し、実際に導入させた。すると次に国への届出をサポートする形で一儲けというのだから、開いた口が塞がらない。

同氏は、新型コロナウイルスの国産ワクチン開発をぶち上げ、自らが大株主の「アンジェス」の株価はコロナ前の600円程度から2,000円をにまで爆上がりした。しかし報じてきた通り、ワクチン開発は頓挫。現在、アンジェスの株価は60円から70円あたりを推移する状況だ。パナソニックから大阪府に寄付され、その後、森下氏の大阪大学に割り当てられた1億6千万円が水の泡となったのは記憶に新しい。

ここでもう一つの注目は、小林製薬が日本抗加齢協会のメンバーであること。小林製薬のホームページを検索すると、機能性表示食品が15種類となっている。これらの届出に森下氏の同協会が何らかの関与をしたのかどうか、興味深いところだ。

小林製薬は政界との関係も深く、自民党の政治資金団体である「一般財団法人 国民政治協会」への献金も確認できる。小林社長は、3月29日の記者会見前まで、真相究明は自社で実施すると語っていた。しかし、その後「厚生労働省と話をして、国に、行政に任せる」と主張を変えている。何らかの力が働いたということか?

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