第三者調査による被害認定から1カ月が過ぎた北海道立高等看護学院のパワーハラスメント問題で、パワハラに関与した複数の教員が11月中にも江差の学院を去ることがわかった。パワハラの中心人物とされる副学院長ら数人の当事者には、すでに内々に異動命令が伝わっていることがわかっている。
職員の処分や異動にかかわる道人事課は11月17日の時点で、関与教員らの処分や異動について筆者の取材に「現時点では決まっていない」と、同じく看護学院を所管する医務薬務課も「時期を含めて何も知らされていない」としているが、複数の関係者からの情報を総合すると、同日午後までに加害教員らが学院外への異動の“内々示”を受けた。対象教員は、パワハラの「主犯」である副学院長を含めて少なくとも4人。当面は転居を伴わない異動とするため、学院のある檜山振興局内で大半の教員を引き受ける形となり、副学院長については管内の江差保健所に籍を置くことになる。正式な辞令は、11月19日以降に発令される見込み。
一連のハラスメント行為への制裁については、被害学生や保護者から厳しい処分を求める声が上がっているが、懲戒処分には「懲戒審査」などの手続きを伴うため、短い時間での対応が難しい。このため道は処分に先んじて加害者らを学院外へ異動させる方向で調整していた。
各教員の異動先は、発令後に道人事課のサイト( →こちら )などで公表される。
(小笠原淳)
【小笠原 淳 (おがさわら・じゅん)】 ライター。1968年11月生まれ。99年「札幌タイムス」記者。2005年から月刊誌「北方ジャーナル」を中心に執筆。著書に、地元・北海道警察の未発表不祥事を掘り起こした『見えない不祥事――北海道の警察官は、ひき逃げしてもクビにならない』(リーダーズノート出版)がある。札幌市在住。 |