日本維新の会・クジラ処分疑惑の井上議員周辺で相次ぐトラブル

今月23日、日本維新の会の馬場伸幸代表は記者会見。次期解散総選挙の結果、自民党と公明党の連立与党が過半数割れとなった場合、政策や法案ごとに政権に協力する「パーシャル(部分)連合」の可能性に言及した。大阪・関西万博への冷ややかな世論や所属議員の度重なる不祥事で支持率が低迷する同党――。政府与党にすり寄るつもりらしいが、“粗製乱造”で議員の数だけを増やしてきた同党のこと、危ない話が次々に浮上している。

■維新・石川1区支部長に「政治とカネ」問題

「連立入りするか閣外協力するか、パーシャル連合を組むのか、いろんな連携の形はあると思います。一部、意訳で自民党と連立を組むという活字にもなっている」と自民党との連立の可能性も否定せず、「過去の第3極、新自由クラブ、日本新党、新党さきがけなどあったが、与党入りして最後は大きな集団に吸収されていくという歴史的な事実がある。我々もそういう轍は踏まないスタンスをとっている。大臣のポストをもらうので連立入りするのではない」と述べ、“大臣ポスト”が連立入りの“条件”ともとられかねない発言さえあった。

だが、維新は「身を切る改革」を掲げながら、疑惑、不祥事のオンパレード。ハンターでは、維新創設時のメンバーの一人、井上英孝衆議院議員と大阪市のクジラ処分の不透明な関係を報じたばかりだ(既報)。

その井上氏は現在、維新の選対本部長代行という要職にあるが、石川県、長崎県、和歌山県などの総支部代表でもある。その石川県で、維新絡みの別の疑惑が発覚した。

日本維新の会石川1区総支部長(石川維新の会幹事長を兼任)で、次期衆議院選挙の出馬予定者である小林誠氏が、コロナ禍で政治資金パーティーを開催。その費用の一部を、政府の観光支援政策「全国旅行支援」や「旅行割」などの制度を使って「割引」を受けていたことがわかったのである。

小林氏は2022年5月に梅村みずほ参議院議員、11月に鈴木宗男参議院議員をゲストに招いた政治資金パーティーを開いて、制度を悪用。原資が税金となる観光支援政策で費用を浮かせていたのだ。小林氏は政治団体「こばやしまこと後援会」の2022年分、政治資金収支報告書の訂正を余儀なくされている。

小林氏は割引制度の利用を認め、「道義的責任を感じ、弁護士と相談のうえ、割引分を既にお支払いの上、収支報告書を訂正した」とコメント。だが、小林氏の訂正はこれだけではなかった。

2022年の「石川維新の会」と「日本維新の会衆議院石川第1選挙区支部」の政治資金収支報告書も訂正されていたのだ。それまでなかった金沢市のY氏という人物から《倉庫無償提供》という名目で36万円が2つの政党支部に追加されていた。

日本維新の会の関係者はその「内幕」をこう話す。

「小林はもともと自宅横の建物を政治活動の事務所と登録していました。しかし、Y氏が所有するマンション1階が実際の事務所です。ここに毎日、雇った事務員が詰めていました。1円も支払っていないことから、政治資金収支報告書にも記載していませんでした。全国旅行支援の不正使用をスクープした記者から事務所のことも指摘されたので、あわてて訂正したそうです。現在は、維新が金沢市内に別の事務所を設置したので、小林氏はそこを使っています。それでもマンションの管理人室をまだ倉庫代わりにしているようです」

「無償提供」されていたという問題のマンションを実際に見ると、壁には小林氏と大阪府の吉村洋文知事とのツーショットポスターが貼られ(*下の写真)、マンション所有者のY氏が支援者であることがうかがえる。管理室の窓からは、「後援会」と書かれたポスターのようなものが見えていた。

前出の関係者は「問題は総支部長の井上さんにもあります」言いながら、スマートフォンを取り出した。画面には、2023年7月3日に、石川維新の会がYoutube上でアップした動画。そこには《6月18日に定期大会を開催しました》とあり、小林氏が井上英孝氏と柴田巧衆議院議員と対談する模様が映っている(*下の画像)。撮影されたのは、なんと問題の管理人室だという。

一般的な常識として、管理人室はマンションの維持管理、住民サービスなどのために設置されている。ドアには「管理人室」という表示もある。小林氏はそこに事務員を出勤させて業務にあたらせ、井上氏らも招いてYoutubeを撮影するなど政治活動を行っていたということだ。所有者の了解があったにしろ、政治家の事務所として使うというのは非常識だろう。政治資金収支報告書にも事務所費としての記載がないのだから、なおさらだ。

「2022年に、『小林氏が管理人室を事務所にしている。登録している自宅横の建物は“小林誠市政連絡事務所”とあるが、まった事務所として機能していない。きちんと家賃計上すべき』との情報が維新の党本部に上げられていたそうです。それでも小林は堂々と管理人室を事務所にしていた。Youtube動画の撮影を管理人室で行っていた井上さんも、おかしなことになっていることがわかっていたはず。黙認していたとしか思えません」(前出の関係者)

ハンターは、管理人室を事務所にしていたことを示す写真も入手した(*下の写真)。小林氏のポスターがホワイトボードなどに貼られ、とても管理人室とは思えないものだ。政治資金収支報告書にも家賃計上していなかった小林氏――。そこに招かれ、動画撮影をしていた井上氏――。二人とも、政治家としての資質に問題があるというべきだろう。

■党内からも井上氏批判

2021年、週刊文春は井上氏が過去に女性に暴行した疑いあることを報じたが、同年の政治資金収支報告書から、「地球を4周」できる200万円超という高額なガソリン代を使っていたことも明らかになっている。

井上氏が総支部長を務めている長崎県連では、3人しかいなかった地方議員が全員離党。やはり井上氏が総支部長の和歌山県連では昨年、県議と和歌山市議に離党勧告と除名処分が出るなどお家騒動が続いている。井上氏が総支部長となっている県連でトラブルが頻発しているのは、それなりの理由があるからだろう。ある維新の国会議員が嘆く。

「井上は、自分が維新創設者である松井一郎元代表の子分であることや馬場代表と盟友関係にあることをひけらかし、なんでもかんでも上から目線で物事を進める。松井さんが政界から去って、誰も井上を止める者がいなくなった。石川も和歌山、長崎も、井上のやりたい放題という話が聞こえてくる。ハンターが報じたクジラの件は、ヤバい話ですね。事件のにおいがすると党内でも話題です。こんな人を放置しておくと、とんでもないことになりかねないのですが……」

 

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