【東京都知事選2024】女帝・小池百合子に強敵登場

6月20日告示、7月7日投開票の東京都知事選に、現職の小池百合子知事が3選を目指して立候補する意向を示した。6月29日の都議会で表明する予定だという。これまでにない、早い時期での出馬表明の裏には……。

■前倒し出馬表明

月刊誌「文藝春秋」5月号で、東京都特別顧問だった小島敏郎氏が《『私は学歴詐称工作に加担してしまった』小池百合子都知事元側近の爆弾告発》と告発。小池知事の「国立カイロ大学首席卒業」という学歴が詐称だと暴露した。

小島氏は、小池知事が立ち上げた都民ファーストの会の元政務調査会事務総長。側近だった小島氏の告発に小池知事は即座に反応し、「いつも選挙前になるとこういう話が出てくる」と否定するなど、火消しに追われた(既報)。しかし、弁護士でもある小島氏は記者会見で、「7月の都知事選で、カイロ大学卒業と選挙公報にあれば刑事告発も考えている」と述べている。

また、4月末に行われた衆議院東京15区の補欠選挙では、小池知事が乙武洋匡氏を擁立しながら2万票も取れずに惨敗。小池人気が凋落傾向にあることは間違いなく、3選を狙う小池知事にとっては厳しい状況だ。

「都知事選の事前運動ともいえる補欠選挙で、あれほど強い小池知事がわずかな票しか取れずに負けた。当選した立憲民主党の候補に2倍以上も差をつけられた。公選法違反で立件された、つばさの党に妨害された影響も確かにあったが、小池知事も『ここまで(票が)離れるのか』と険しい表情でした。もし東京15区で勝っていたら、出馬表明の時期は違っていたはずです」(都民ファーストの都議)

■石丸安芸高田市長の登場

まさに、嵐の中での船出となる小池知事。そこに挑戦状をたたきつけたのが、「バズる市長」の異名で知られる、広島県安芸高田市の石丸伸二市長。6月で市長を辞職し、都知事選に出馬することを表明した。

2019年に行われた参議院議員の際に起きた河井克行・案里夫妻の公職選挙法違反事件では、同市の市議会議長らがカネを受け取っていた。石丸市長は「政治再建」を掲げて2020年の市長選に当選。旧来型の政治家たちを相手に激しく争い、支持を広げてきた(既報)。

5月17日に広島市で記者会見した石丸市長は、「東京の一極集中を是正しないと、地方都市が消滅してしまう。小池知事の公約を見ていると、満員電車や、待機児童などで7つのゼロを解消するとなっています。それは東京都の人口過密によるものです。日本で最も力がある東京を多極分散して、過密を解消するのは今が最後のチャンス」と出馬の動機を語っている。

ある自民党の大臣経験者は、「石丸市長をあなどってはいけない。とんでもない爆発力がある」と警鐘を鳴らす。

人口3万人にも満たない、安芸高田市を一気に全国区に引き上げた石丸市長は、小池知事同様に、SNSなどを駆使した爆発力、突破力を持つ。Youtubeの「広島県安芸高田市公式チャンネル」は、チャンネル登録者数 26万6千人と日本の自治体では東京都よりも上。全国トップという状況なのだ。チャンネル登録者が10万人を超えるとYoutubeから贈られる「銀の盾」も獲得している。

Youtubeの内容は、3年前からの石丸市長の定例記者会見と地元イベントが中心。市長の際立つ「キャラ」でこの数をたたき出したのだから大したものだ。

市議会で居眠りをしている市議に「恥を知れ、恥を」と突っかかり、河井夫妻からカネをもらった市議にも「カネはもらった。使ってません。入れ替えただけとしょうもない言い訳する」とねじ伏せた。

前出の大臣経験者はこう話す。
「小池知事はしなやかに、やんわりと相手を追い詰める。石丸市長はワンフレーズでズバッと相手を切り捨てる。手法は違うが二人とも劇場型の手法だ。これまで小池さんは、自民党都連などの大物相手に立ち向かうチャレンジャーを演じて勝ち抜いてきた。それが今度は真逆になり、受けて立つ側。学歴詐称のキズもあり、石丸さんが勢いに乗ればどうなるかわかりませんよ」

自民党は今年1月の八王子市長選で、小池知事の援護射撃を受け辛くも勝利した。東京都連内部では「都知事選は小池知事支援で」と、政権与党としての矜持を捨て、早々と小池知事に抱ききつくことを「内定」していたフシがある。

「都知事選に独自候補を出すことはまったく検討していない。当然、小池知事が3期目をやってくれると信じている。事実、都議会でも自民党は都民ファーストと協調体制だ。ただ、小池さんは今、学歴詐称と東京15区のぼろ負けで逆風の真っただ中。石丸さんはもちろん、知名度のある候補者が出てくれば、女帝の座も危うくなる」(自民党の都議)

前回、2期目を目指した2020年都知事選の出馬表明も、6月中旬と選挙戦直前だった小池知事。都庁幹部が声を潜めて実情を次のように語る。

「都庁はまさに小池ワールドです。何も言わなくとも知事が好むような政策を職員が持ってきて、実現させてゆく。女帝そのものですよ。20人ほどが出馬する予定の都知事選で、最も強敵となるのは石丸市長ではないでしょうか。小池知事は非常に気にしていますよ。出馬表明の前、ウワサ段階からどういう人物なのか調べていましたから」

■蓮舫氏の出馬表明で構図一変

ある意味、「台風の目」になるとみられている石丸市長だが、小池知事にとっては同氏以上の強敵が現れたから大変だ。27日、立憲民主党の蓮舫参院議員が「小池都政をリセットする」として都知事選出馬を表明。選挙構図が一変した。“知名度のある女性政治家による事実上の一騎打ち”――報道各社は「小池VS蓮舫」の戦いを焦点に据えはじめており、石丸氏の影は薄くなっている。

都民は次の4年間の都政を誰に任せるのか――。東京都知事選は6月20日に告示され、7月7日に投開票される。

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